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cinq cafe ページ6

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三日振りに、俺はいつものカフェに訪れていた。

あの日のように今日も雨が降っていて、店内はガラリとしているのがガラス越しでも分かる。

俺は傘をたたみながら、店内へと入った。


仕事で忙しくて来れなかった、と言えればかっこいいんだろうけど。

大雨の中傘も差さずに帰った結果三日間風邪をこじらせて来れなかった俺は、ただただかっこ悪い。

しかも、その間皮肉にも仕事がなかったというんだから、余計にかっこ悪い。


俺の前でレジをしている、男の子の子供連れの客を待ちながら、そんなことを考えていた。

それは勿論、レジに彼女がいるからで。


彼女の前でカッコつけたのに、このざまとか笑えない。


そう落ち込んでいると近くで子供の泣く声がして、俺はハッと我に帰った。

ちらりとその声のする方を見てみれば、受け取り口で男の子が泣いている。

店内にいる数名の客は誰もその方向を見ていないが、少し眉間に皺が寄っている。


「こら、泣かないで。どうしたの?」


母親は焦ったように、その子に問いかけるが、その子はさらに声をあげて泣くばかりだ。

周りを気にしながらあやすが、理由が分からず困り果てている。

カウンターでは、客が少ないからか、人手が足りないからか、彼女が一人でせっせと働いている。

慣れない手つきでありながらも、その二人の客のためにと最速を尽くそうとしているのが分かる。


__それでも、このまま泣いていたら、他の客が怒り出しそうな気がする。


そう思って、その二人に声をかけようと思った瞬間。


「大変長らくお待たせいたしまして、すみません! ご注文の品です!」


と言って、彼女がカウンターから出てきて母親に手渡した。

そしてそのままそこにしゃがみこむと、男の子の前でニコッと笑ってみせる。


「こんにちは。ちょっとおねえちゃんのポケット見ててね?」


そう言って、彼女はポケットの空っぽな中を見せる。

男の子は少しぐずりながらも、彼女の放つ言葉に耳を傾け、こくんと頷いた。


「中に手、いれてみて? 何も入ってないでしょ?」

「…う、ん」

「でもおねえちゃんが一回叩くとね、」


胸元にあるポケットのところをポンと一つ叩く。

そして、


「ちょっとポケットの中に手、いれてみて」


と言い、男の子が手を入れると、泣いていたのが嘘のように泣き止んだ。

その子の手に握られていたのは、一つの飴だった。


「なんで!?」

「魔法使いなんだ」


そう言って、いたずらに笑った。

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mifulu(プロフ) - ほわさん» ご指摘ありがとうございます! バーコードって変ですね笑 これからもよろしくお願いします。 (2019年9月10日 9時) (レス) id: 8875a6e61c (このIDを非表示/違反報告)
ほわ(プロフ) - 誤字とかじゃないんですけど、最新話のバーコードはQRコードにした方が良いと思いますよ!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2019年9月10日 0時) (レス) id: d0efce02c1 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 白うさぎさん» ありがとうございます! ゆっくりになるとは思いますが、楽しんでもらえるよう頑張ります。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 477f578196 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ - とても面白くて、毎日楽しみにしています!更新頑張って下さい(*^^) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 33733f1464 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 華恋さん» 初めまして(*^^*) ありがとうございます! テストが近いのでゆっくりになるとは思いますが、期待に応えられるように頑張ります! (2019年6月30日 10時) (レス) id: 80a048a51f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mifulu | 作成日時:2019年6月10日 0時

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