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quarante-et-un cafe ページ42

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少しの違和感を胸に抱えたまま食事を終え、私は車に揺られていた。

ラジオからは心地よい曲が流れている。

ちらりと右側を向けば、運転をしている吉沢さんの横顔が見えた。

真っ直ぐ前を向いてハンドルを握る姿はなんとも言えない程かっこよくて、夜の長い冬のキラキラとした夜景に映えて、画になりすぎる。


「なに? どうかした?」


思わずその姿に見とれていた私は、笑顔でかけられたその言葉に我に返った。


「いや、何でもないです!」

「ふーん?」


そう慌てて答えれば、少し意地悪にこちらを向いて笑ってくる。


「もう!青に変わりますよ、前見ててください!」


あはは、ごめんごめんなんて楽しげに言ってまた車を走らせる。

十分くらい走って、ここら辺では有名な超待ち時間の長い交差点にひっかかった。

私は車に乗る前に買ったカフェオレに手を伸ばす。

すると、手のひらにはカフェオレのカップが、手の甲には別の感触があたった。


突然のことに驚いて、思わず息をのむ。

自分の全神経が、私の右手の甲に触れられている、暖かくさらりとすべすべしたものに注がれる。

おそるおそるゆっくりと、私は右側を向く。

赤い信号に照らされ赤く染まった彼の、複雑な表情とかち合う。


私もこんなふうな顔をしているんだろうか。


そう思うと、自分でも驚くほど、顔に熱が集中するのが分かった。


赤信号で良かった、こんなに赤い顔も信号のせいにできる。


そんなことを考えながら、彼の少しだけ潤んだ瞳を見つめつつ、どちらからともなく目をそらす。

恥ずかしいような、緊張しているような空気が流れる。

すると、するりと彼の手がゆっくり滑り、彼と私の指が絡んだ。

その手つきはおそるおそるで、まるで壊れやすいものにでも触るかのように優しく手が絡み合う。


私の中はもういっぱいいっぱいで、今のこの状況のことしか考えられなかった。

呼吸をするのさえ苦しくなるほど、胸は早鐘を打っている。


この信号を超えてしまえば、家までは三分程。

夢のような、彼との時間も終わってしまう。

信号がこのままずっと、青に変わらなければいいのに。


恥ずかしくて顔は見れないのに、そんなことを思っていた。

しかし、神様はそんなに甘くはない。

目の前にある歩道の信号は点滅を始める。


「…信号、青になっちゃいますよ」

「…そうだね」


目の前の信号が青に変わる。

彼はそっと手を離し、車を発信させた。

私の右手はまだ冷めそうにはなかった。

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mifulu(プロフ) - ほわさん» ご指摘ありがとうございます! バーコードって変ですね笑 これからもよろしくお願いします。 (2019年9月10日 9時) (レス) id: 8875a6e61c (このIDを非表示/違反報告)
ほわ(プロフ) - 誤字とかじゃないんですけど、最新話のバーコードはQRコードにした方が良いと思いますよ!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2019年9月10日 0時) (レス) id: d0efce02c1 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 白うさぎさん» ありがとうございます! ゆっくりになるとは思いますが、楽しんでもらえるよう頑張ります。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 477f578196 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ - とても面白くて、毎日楽しみにしています!更新頑張って下さい(*^^) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 33733f1464 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 華恋さん» 初めまして(*^^*) ありがとうございます! テストが近いのでゆっくりになるとは思いますが、期待に応えられるように頑張ります! (2019年6月30日 10時) (レス) id: 80a048a51f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mifulu | 作成日時:2019年6月10日 0時

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