cafe au lait 【吉沢亮】

trente-quatre cafe ページ35

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私が彼にお礼のLINEを送ってから、細々とやりとりは続いていた。

そんな他愛もない何気ない話が、私の中では少し楽しみだった。


小さいけど、贅沢すぎる楽しみだなぁ。


なんて思いつつ、私は昨夜に既読をつけた、彼からのLINEを見た。

ゆっくりお昼休みが取れた日に、季節の香りがする公園の隅のベンチでLINEを見るのが、ここ数ヶ月の習慣になっていた。


『最近、暑くなって来ましたね。そろそろ梅雨明けも近そうで、嬉しいです。』


たった二行の天気の話。

絵文字があるわけでもなく、近況が書かれているわけでもない。

それなのに、私には何故かキラキラと輝いて見えた。


『私も、もうすぐ夏が来るんだなぁって、そわそわしてます。去年は忙しくて楽しめなかったので、今年は沢山楽しもうと思って。』


そう文字を打って送信すると、ふぅと息をついた。

久しぶりの太陽がぽかぽかと私の体を温める。


彼とLINEをしてから、わかったことがある。

それは、彼が連絡がまめな方ではないということ。

絵文字も使わず、文面は少し愛想がない感じに見える。


だが、私も絵文字はよく使う方でもないし、連絡も別にこまめに入らないタイプだ。

吉沢亮さんからのその距離感が、私にとってはとても心地の良いものだった。


数ヶ月が経ったけど、まだまだ不思議な感覚で、全然慣れない。

テレビに出ているのはたまに見るし、そんな人と連絡を取っている、なんとも言えない特別感。

私は、こうしてやり取りをするのが楽しいけど、果たして彼も同じなのだろうか。

LINEを聞いた手前、自分からやり取りを終わらせられないとかだったりして…。


そんなふうに考えて、少しがっかりして。


でも、気ままにやり取りをしているだけで無理強いはしてない。

だから、相手もこのやり取りを楽しんでくれてる？

これは…期待してしまってもいいの？


なんて考えて、気持ちはふわりと高く上がる。

そこまで来ると、自分の中でブレーキをかけて、心の奥底で蓋が開きかけているそれを、必死で見ないふりをする。

ずっとずっとそれの繰り返しをしていた。


うじうじ、ぐるぐるして馬鹿だなあ。


たまに自分を客観視して、はぁとため息をつく。

そろそろお店に戻る時間なので、私はゆっくり伸びをして立ち上がった。

その時、スマホが手の中で震える。

その画面を見た私は、画面に映し出された一行の言葉に驚きで目が見開いた。

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