vingt cafe ページ21
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一月末。
久々になんの予定もない一日オフをもらった俺は、行きつけの美容院の入り口に立っていた。
職業上、あまり髪を切ることはできないが、ここのヘッドスパが最高なのだ。
もう半年以上も来れていなかったので、ウキウキしながら扉を開けた。
「ああ、いらっしゃい。久しぶり」
ふわっと広がったフローラルなシャンプーの香りとともに、奥から店長さんの声がした。
店長さん、もとい一ノ瀬さんは、かっこいい髭の生えた顔でニカッと笑った。
「お久しぶりです、一ノ瀬さん」
「半年ぶりくらい？」
「ですね。有難いことに忙しくて」
俺がそう少し照れつつ言えば、彼は嬉しそうに笑う。
「ちょっとずつテレビでも見かけるようになってきて、嬉しいよ」
「ありがとうございます」
「今日は一応予約では、ヘッドスパとシャンプーだけだけど…それでいい？」
「はい、お願いします」
俺はそう言うと、彼に促されるまま奥の部屋へと入った。
完全一人用の、少し広めの個室の奥にあるシャンプー台の前の椅子に腰掛ける。
すると、タイミングを計ったように、一ノ瀬さんが入ってきた。
「倒すよ〜」
椅子が少し上に上がり、そのまま背中がゆっくり倒れる。
「あ、そうだ。最近、新人が入ってきて、慣れのためにシャンプーやってもらってるんだけど、その子にお願いしてもいい？」
「はい、全然」
「ありがとう、助かる。一応顔はバレないようにタオルかけておくから」
「ありがとうございます」
ふわりと優しい柔軟剤の匂いのする、タオルが髪にかけられると、バタンと扉が閉じた音がした。
視界は影のある白色に全面を染められ、俺を一人の世界へと誘う。
あの日、彼女にはもう会えないと分かってからも、俺は変わりなく過ごしていた。
有難いことに、忙しい日々を過ごしていたので、彼女のことはあまり思い出さなくてすんだ。
そして何より、自分自身で思い出す時間も作らないくらい、一人でせかせかと動いていた。
だから、あのカフェにもあれ以来行けていないし、カフェオレも飲んでいない。
そんなあからさまな自分の態度に、自分の中で彼女が大きい存在だったと改めて実感させられて。
叶うことなら、もう一度彼女に__。
そんなことを一人考えていれば、カチャッと扉の開く音がした。
開けた主はトコトコと軽い足音を立てて俺に近づき、
「初めまして。シャンプーを担当させて頂きます、竹内です」
と、聞き覚えのある声が俺の耳に届いた。
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mifulu(プロフ) - ほわさん» ご指摘ありがとうございます！ バーコードって変ですね笑 これからもよろしくお願いします。 (2019年9月10日 9時) (
レス) id: 8875a6e61c (このIDを非表示/違反報告)
ほわ(プロフ) - 誤字とかじゃないんですけど、最新話のバーコードはQRコードにした方が良いと思いますよ！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2019年9月10日 0時) (レス) id: d0efce02c1 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 白うさぎさん» ありがとうございます！ ゆっくりになるとは思いますが、楽しんでもらえるよう頑張ります。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 477f578196 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ - とても面白くて、毎日楽しみにしています！更新頑張って下さい(*^^) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 33733f1464 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 華恋さん» 初めまして(*^^*) ありがとうございます！ テストが近いのでゆっくりになるとは思いますが、期待に応えられるように頑張ります！ (2019年6月30日 10時) (レス) id: 80a048a51f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2019年6月10日 0時
