dix cafe ページ11
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彼女と出会って、もうすぐ一年半が経つ。
その間、見事に奥手ぶりを発揮していた俺は、未だに彼女の名前すら知らなかった。
ギリギリ彼女には認識されているレベルだと思うけど…正直危うい。
なんてことを思いながら、久々に見るカフェの入り口を見上げた。
最近俺は、「水球ヤンキース」、「地獄先生ぬ〜ベ〜」などを乗り越え、ドラマ「HEAT」と、映画「通学シリーズ 通学電車」の撮影で忙しい日々を過ごしていた。
映画はまだ期間はあるものの、ドラマは放送日がもう一ヶ月を切ったので、そろそろ本腰を入れてのスタートだ。
しかも、ありがたいことに雑誌の撮影も多く入って、なかなか休める時間がなかった。
そんなこんなで来ることができていなかった俺は、二週間ぶりにこのカフェに訪れていた。
とは言っても、三時間後にまたインタビューが入っているので、いつもみたいに長居はできない。
久しぶりに訪れたカフェの雰囲気を味わいながら、久々のお昼後のまとまった休憩時間に、ほっと息をついた。
丁度おやつ時の時間帯なので、いつもよりも店内は人気が多い。
俺は列の最後尾に並び、財布を取り出した。
今日もいつものカフェオレで。
いや、でも今日はちょっと暑いしなぁ。
そうメニューを見ているうちに、いつしか俺の番が来ていた。
俺がレジに寄るなり彼女は笑って、
「いらっしゃいませ。ご注文は…」
といったかと思うと、あ、と呟いて少し驚いた顔をする。
そして、
「お久しぶりですね」
と言って、ふわりと笑った。
俺は不意打ちのいつもと違う笑顔と、彼女に存在を認められていた安心感で思わず思考が停止する。
「あ、仕事…が、忙しくて」
顔が赤くなっていくのをなんとか抑えつつ、俺は半ば放心状態でそう告げる。
すると、
「それは！ お仕事、お疲れ様です」
と、俺をねぎらうように微笑んだ。
その一連のやりとりに日頃の疲れが癒されるのを感じながら、
「ありがとうございます。そちらも、お仕事お疲れ様です」
と言えば、
「あ、ありがとうございますっ」
と、照れ臭そうに笑った。
俺はそのまま彼女にアイスコーヒーを注文する。
彼女は珍しそうにその注文を聞いて、今度は楽しそうに笑った。
俺はその場から離れたくなかったが、後ろから来た客によって、カウンターへと向かう。
そして、飲み物を受け取り席に着いた。
仕事、頑張ろ。
彼女の笑顔のパワーに俺の心はじんわりとあたたかくなった。
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mifulu(プロフ) - ほわさん» ご指摘ありがとうございます！ バーコードって変ですね笑 これからもよろしくお願いします。 (2019年9月10日 9時) (
レス) id: 8875a6e61c (このIDを非表示/違反報告)
ほわ(プロフ) - 誤字とかじゃないんですけど、最新話のバーコードはQRコードにした方が良いと思いますよ！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2019年9月10日 0時) (レス) id: d0efce02c1 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 白うさぎさん» ありがとうございます！ ゆっくりになるとは思いますが、楽しんでもらえるよう頑張ります。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 477f578196 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ - とても面白くて、毎日楽しみにしています！更新頑張って下さい(*^^) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 33733f1464 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 華恋さん» 初めまして(*^^*) ありがとうございます！ テストが近いのでゆっくりになるとは思いますが、期待に応えられるように頑張ります！ (2019年6月30日 10時) (レス) id: 80a048a51f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2019年6月10日 0時
