入学したら愛された【キメツ学園】

抱き締める ページ9

…………。




貴「えっと……」




ただ今、お昼休みなのだが……




これどういう状況？？




貴「あの……」



「………………」



貴「あの！何とか言ったらどうですか！？
無一郎先輩！！」



無「………なんか言ったら僕の物になってくれるわけ？」



どうしてこうなった。



貴「いや、なりませんけど…」



無「じゃあこのままで」



なんでやねん。




でもこの人、見た目が可愛いから他の人とは違って心を許してしまう……。



くっそ、可愛いって罪だなあ



無「何それ自慢？」



貴「えっ、声に出てた！？」



無「最初から堂々と出てた」



うそん



貴「いや、自慢じゃないですけど…」



すると無一郎先輩が私を抱き締める腕の力を強めた。



無「……俺だって男だよ」



無一郎先輩が首元に顔を埋めてきた。



いやこれ、髪がかかって結構くすぐったいんだけど…




てか、階段の踊り場という、いつ誰が来てもおかしくないところでこういうのやめて…！！



しかもお昼だから抱きしめられてると温もりを感じて眠くなってきてしまう。


いやまあこんな状況で寝るほど馬鹿ではないけど！！

寝ようとしても力が強いからキツすぎて寝れないけど！！


あれなんか言ってること矛盾してる？




うーんと考えていると、いきなり耳あたりに息がかかってきた。



貴「ぅんっ…」


あ、やば


すると無一郎先輩が私の耳に手を伸ばしてきた。
あ、やばいやばい


普段の私なら助けを呼んでいるんだろうけど、今は眠気が強くて叫べない…！！



あ、これどうしよ



誰か……





「オイィ…」



なんか怖い声が聞こえてきたんですけど



この声は…






貴「スケベ先生…」



実「！？」



無「『スケベ先生』……」









無「…………………笑」



実「何ちょっと笑ってやがるゥ！！」



実「それよりなァ…」


切り替え早くね？



実「時透テメェ、Aに何やってんだァ…」



無「何が？」



実「テメェがAを抱きしめてる状況だァ！！！」



無「あぁ、これ…」



無一郎先輩が私を抱き締めている己の腕をチラリと見た。



無「『抱きしめてる』って言葉でわからない？
襲おうとしてるんだよ？」



貴「ふぁっ！？」



あれっ！？この人中学二年生だよね！？

あれっ、あれ！？




炭「待て時透君！！今のは無視できない！！」



善「あああぁぁぁあああAちゃんがぁぁあああ！！！」



嘴「俺をホワホワさせる奴！」

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