36.もう一回、決まるまで ページ39
しかし、日向が後衛に下がった時の圧倒的不利感というか……。
それをコーチに言ってみると、「日向が後衛、東峰が前衛にいる時に、どれだけブロックを振り切れるか」が大事になってくるらしい。
東峰が打ったスパイクが伊達工にドシャットされる。わざと、わざと隙間を作ってそこを塞いできた……。
次のスパイクではワンタッチですませ、相手の攻撃を
「……早く七番後衛下がんないかな……」
「心の声ダダ漏れだぞ浦塚。……あと少し、一点で後衛に下がる」
現在19(烏野)−18(伊達工)で日向が前衛に上がってきた。順調に点を稼いでいき、三点差残して烏野側があと一点でマッチポイントというところまで来た。
東峰のスパイクがブロックされ一時は二点差になったものの、日向と影山の速攻がブロックミス(吸い込み)によって点になり、烏野はマッチポイントだ。
しかし日向のサーブミスによって伊達工の点を許してしまい、24(烏野)−22(伊達工)。
更には日向は
「コーチ難しい顔してますね」
そう言うと、コーチは図星を突かれたようにビクッとした。日向がOUT、伊達工が一番ブロック強いローテだからだろう。
でも、
「大丈夫です」
目に、スパイクを打とうとする東峰の姿が入る。
「
伊達工にブロックされたボールを西谷が上げて、もう一度影山がレフトに上げる。
相手ブロックとの押し合いになりボールが弾かれるが、すんでのところで西谷が足で上げた。
「____……。___なんて奴」
コーチは呆然と西谷を見つめた。
ボールが落ちるまでは負けじゃない。
「「もう一回!!!」」
「もう一回!!」
「“決まるまで”だ!!」
みんなの声を聞いて、なんとなく前の練習風景を思い出した。塾で早退する前に体育館に忘れ物を取りに来て、その時、菅原が影山に話してた。
『旭が得意なのはネットから少し離した____』
「『高めのトス』」
フワッと丁寧なトスが上がる。
その間に伊達工はブロックを固めるが、そんなことは関係ない。
「行け! 旭!! 行け!!!」
「ブチ抜け、旭!!」
東峰が打ったボールはブロックの手に当たりネットの上を転がって、そして、___伊達工のコートに落ちた。
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです! 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2021年5月4日 8時