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柔らかな日差しの春の午後。
少し眩しい陽の光に目を細め、空を見上げる。
澄んだ水色にほのかに色づく桜の花びらが舞っていて綺麗だ。
最終決戦から3ヶ月。
私は鬼の始祖鬼舞辻無惨を討ち、平和な日常を取り戻していた。
私は鬼殺隊の桜柱で、親のかたきを討つため戦っていた。
そしてたくさんの犠牲を払いながらも、ついに鬼殺隊が勝ったのだ。
犠牲者の中には大好きな蜜璃ちゃん、同期の玄弥くん、そして敬愛する師範しのぶ姉さんまでいた。
楽しかった日を思い出すたびに、胸が詰まるほどに苦しくなるが、いつまでも泣いてはいられない。
前を向かなければ。
義「A。何を見ているんだ?」
『義勇さん。』
元水柱である義勇さんがこちらにやってくる。
鬼殺隊の頃はよく一緒に任務に行ったり、ご飯を食べに行った。
強く優しく美しい義勇さんを私は尊敬していた。
『桜です。ほら、綺麗でしょう?』
宙を舞う薄紅の花びらを一つとり、義勇さんの手に載せた。
義「そうだな。美しく、平和だな。」
『うふふ。義勇さんらしいお言葉ですね。』
私はやっと手に入れた平和を噛み締めていた。
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作者名:モッピーガチ勢 | 作成日時:2021年12月3日 16時