平凡くんは人気者。 (ページ6)

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非王道、王道ページ6

『ねぇ、旦那？』

｢旦那って.....漫画の真似か｣

『あ、この前貸した漫画、読んでくれたんですか？【旦那】って呼び方の響きかっこいいですよね。これからはそう呼ぼっかな？あ、因みに誰が一番好きですか？』

｢......主人公のライバルの兄｣

『俺はその弟です』

｢別に聞いてねぇよ。それに話がズレてる。海琴、俺に何か聞こうとしてただろ｣

『あ、そうだった。照れるって事は【掘られるな】って何かえろい事？』

俺がそう言った途端、旦那がゴホッゴホッと咳き込んだ。

......図星？ってか咳、大丈夫ですか？

心配で旦那の背中をよしよしと擦ると｢辞めろ｣と言われた
そんな全力で否定されると、流石に傷つきます....

『やっぱりえろい事何ですか？』

｢......意味分かったのか？｣

『いえ、さっぱり』

俺の返事を聞くなり、小さな溜息を漏らす旦那。溜息をつきすぎると、幸せが逃げっていってしまいますよ？

暫くして、乗っていたバイクが道路の寄せるようにして停まった。顔を上げて辺りを見たら、転校先の男子校の近くだった。

『態々送ってくれて、ありがとうございました。お疲れ様です』

｢......おい｣

『はい？』

ヘルメットを外してバイクのケツから降りると旦那が声をかけてくる。訳が分からず首を傾げながら近づくと、新しい制服のネクタイを掴まれてグッと引き寄せられた。