第293話 ページ9
リベラside
サカエさんが
魔力を
地球にまで及ぼそうとしている...。
危険極まりない。
他に方法はないの...?
ラサ「その話を聞いた私は、彼に手を貸すことを決意したのです。魔力が治められる力は大きい。もし地球に1人だけ魔力を持つものが現れれば、少し争いが起きようとも鎮められる。なかなかいいアイデアだとは思いませんか?」
ラサゴベアは、そこで言葉を発するのをやめた。
リベラ「思わない...。いいアイデアだなんて、ちっとも思わないわよ。」
ラサ「なぜ。」
リベラ「なぜって思う方が不思議よ。危険だと思わないの?」
私は少し声を荒らげた。
心を読まれることも忘れて、ラサゴベアの顔を見てしまっていた。
ラサゴベアはまあまあと言って、私をなだめる。
ラサ「危険ではありますよ。でも、1人だけならいいでしょう?」
その楽天的思考が信じられない。
私は私の肩をさするラサゴベアの手を振り払って言った。
リベラ「魔力を持つのが1人だけって言っても、いつまで1人に抑えられるかなんてわからないでしょ!?サカエさんの言っていた昔のようにまた魔力が猛威を振るったら...それが1番危険じゃない!」
ラサ「しかしこの星はそれでやってこれた。だったら、地球でもできるんじゃないんですか?」
リベラ「魔力が必要でないなら控えるべきだわ。まだ他の方法を考える時間はある。」
ラサ「じゃあどうしろと言うんです。」
リベラ「それをみんなで考えようって言ってるの!!」
私がそこまで言ったっところで、ラサゴベアがはぁとため息をついた。
ラサ「だから言いたくなかったんですよ...。絶対反対されると思いました。」
リベラ「...その判断は正しいわ。」
私がそう言うと、ラサゴベアはやれやれと言ったような仕草をしてから、私から離れ、再び椅子に座った。
私はもう一度ラサゴベアを睨みつけた。
その視線に気づいたラサゴベアは、ふっと笑った。
ラサ「何度も言うようですが、余計なこと、しちゃダメですよ?」
私は微笑して答える。
リベラ「もちろんよ。」
ラサゴベアは、頼みますよと言いながら机に目を落とす。
そして万年筆を手に取って言った。
ラサ「私が話すようなことはこれで終わりです。まだなにか聞きたいことでも?」
書類仕事に戻ったラサゴベア。
私はお辞儀をして言った。
リベラ「いいえ。ご協力、ありがとうございました。」
そしてドアを開け、失礼しますという言葉と同時に部屋の外に出た。
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fruit(プロフ) - neruさん» こんな古くて長すぎる作品を読んでくださって、本当にありがとうございます!!番外編の件、リクエストすごくすごく嬉しいです!!もちろんお受け致します!逐一公開しようと思いますのでお気に入り登録等で通知を受け取ってくださると嬉しいです。しばしお待ちください! (2021年6月30日 14時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
neru - 凄く面白かったです!もしできたら続編・・・というより番外編を作っていただけないでしょうか?夢主が帰ってきた後と結婚した後で時間が空いているのでその間どんな感じだったのか知りたいです! (2021年6月30日 6時) (レス) id: be91a01192 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 葵 林檎さん» 素敵なコメントありがとうございます!!時間はかかっていますが少しずつ直している最中です。言い回しが変わったりバッサリカットしたりしているのでぜひ何度でも見返してみてください!ありがとうございました! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - このお話、とても好きだなああぁ、と心の底の根っこから思います! 私はファンタジーがめちゃ大好きなので、もう、何度も読み返します!! 素敵なお話を作っていただきありがとうございます…! (2021年2月16日 21時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 愛流鈴さん» お返事大変遅くなり申し訳ありません...!このコメントを拝読して、すごくテンションが上がっております!私自身、あまり自信がなくて作品削除も考えていたのですが、コメントを読んで、この作品は残しておこうと思うことができました。本当にありがとうございました!! (2020年9月17日 12時) (レス) id: 332baaf975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2018年7月1日 7時