第291話 ページ7
リベラside
コンコン
リベラ「失礼します。」
私は「国王室」と書かれたドアをノックし、返事も待たずに部屋の中に入った。
バタン、とドアを閉めると、顔を歪めたラサゴベアが書類仕事をしていた。
ラサ「どうぞ...って、まだ言ってないんですが。」
いつもと違って返事を聞かずに入室した私にラサゴベアは呆れ半分で言った。
ファナッカの使用人に限らず、国内の者なら誰といえど国王の部屋に返事無しで入ることは到底許されない。
ただ、今ラサゴベアの返事を待たずに部屋に入ったのは...
今は、私は《アリオンの王女》としてラサゴベアと話したいから...。
私はラサゴベアが仕事をしている机の前にツカツカと歩いていき、腕を組んだ。
リベラ「単刀直入に聞くわ。サカエ・ユキマは一体何者なの。」
私がそう言うと、ラサゴベアは持っていた万年筆をそっと机の上に置いた。
そしてふぅと息をつきながら背もたれにもたれかかった。
ラサ「今日はそのテンションですか。」
リベラ「そういうのいいから。質問に答えなさい。」
私が強気な態度を変えないことがわかると、ラサゴベアはふっと微笑した。
ラサ「こんなとこ他の人に見られたらなんて言われるか...。」
リベラ「誰も見てないから。早く言って。」
仕事を放っているため、あまり時間をかけられない。
いち早く事を済ませたい私は、のんびりしたラサゴベアに苛立った。
リベラ「私だって仕事があるのよ...。ファナッカのみんなに迷惑かけたくなかったら、早く言って。」
彼を睨みつけながらそう言っても、効果はゼロ。
むしろ少し焦る私を楽しんでいるかのようにも見えた。
ラサ「何を突然。今更サカエを気にしてどうするのですか。」
嘘をついている暇も余裕もない、と一瞬で判断した私は素直に言った。
リベラ「サカエさんに地球のことを聞いたのよ。この星の起源とか、魔力の起源とか。それでも《興味があったから》という理由だけでここに来るとは考えにくいし、第一こんな信じられそうにもない話ひとつで用心深いあなたがサカエさんを側近に置くわけがない。一体なんの魂胆があるのって聞いてるの。」
きっと他になにか理由があったはず。
この星に来た理由が。
そしてファナッカに住み着いた理由が。
ラサ「...心を読んだのですよ。彼は嘘などついていなかった。だから信じたんです。」
リベラ「それでもあの人をファナッカに置いておく理由にはならない。」
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fruit(プロフ) - neruさん» こんな古くて長すぎる作品を読んでくださって、本当にありがとうございます!!番外編の件、リクエストすごくすごく嬉しいです!!もちろんお受け致します!逐一公開しようと思いますのでお気に入り登録等で通知を受け取ってくださると嬉しいです。しばしお待ちください! (2021年6月30日 14時) (
レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
neru - 凄く面白かったです！もしできたら続編・・・というより番外編を作っていただけないでしょうか？夢主が帰ってきた後と結婚した後で時間が空いているのでその間どんな感じだったのか知りたいです！ (2021年6月30日 6時) (レス) id: be91a01192 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 葵 林檎さん» 素敵なコメントありがとうございます!!時間はかかっていますが少しずつ直している最中です。言い回しが変わったりバッサリカットしたりしているのでぜひ何度でも見返してみてください!ありがとうございました! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - このお話、とても好きだなああぁ、と心の底の根っこから思います！ 私はファンタジーがめちゃ大好きなので、もう、何度も読み返します！！ 素敵なお話を作っていただきありがとうございます…！ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 愛流鈴さん» お返事大変遅くなり申し訳ありません...!このコメントを拝読して、すごくテンションが上がっております！私自身、あまり自信がなくて作品削除も考えていたのですが、コメントを読んで、この作品は残しておこうと思うことができました。本当にありがとうございました!! (2020年9月17日 12時) (レス) id: 332baaf975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fruit | 作成日時：2018年7月1日 7時
