第329話 ページ45
リベラside
次の日の朝、私はファナッカの門の前で城に向かって一礼した。
clock総会のため、ラサゴベアに朝会うこともなく、朝食だけ頂いて1人で城をあとにする。
服装は、最初にここへ来た時と同じ格好。
帰り道も、ここへ来た時と同じ方法を選んだ。
何回かラサゴベアに付いて城の外へ出ることもあったため、城外へ出る道はすぐにわかった。
そこから地図を見ながら港へ向かい、(少し迷いながらも)無事船に乗った。
行きの時とは、全く違う景色。
キリトからの手紙に泣きに泣きまくったあの時とは違い、とても晴れやかな心で船中にいた。
...次にファナッカに来るのは、いつになるのかな。
そんな呑気なことを考えながら、ぼぉーっとしていると、長いはずの時間もあっという間に過ぎ、いつの間にかアリオンの港に着いていた。
私は船を降り、深呼吸をする。
リベラ「...うん。やっぱり大好き。」
空気が美味しいという訳でもない。
何が違うのかわからないけど、どこか安心する空気に包まれながら、私は歩き出した。
1回通ったはずの道だけど、案の定忘れており、スムーズに帰ることはできなかった。
だけど、なんとか道に詳しいところまでたどり着き、胸をなでおろした。
...近くには、学校。
ここから少し山を登ったところに、頼んでおいた車が待っているはずだ。
私は見慣れた道を見渡しながら、車を目指して歩いた。
少し歩くと、いつもの場所に見覚えのある車が止まっていた。
そばには、いつも送り迎えをしてくれる運転士が立っている。
リベラ「...ただいま。」
「おかえりなさいませ。お待ちしておりました。」
そう言って彼は私の荷物を預かってくれた。
懐かしい声に、安心しながら私は車に乗り込む。
城への道中、運転士は私がいなかった間のことを色々と教えてくれた。
マナが心配になって何度も「ファナッカに行く」と言うのを必死に止めたこと。
キリトが平然を装うもずっとそわそわしていたこと。
最初の頃は、コックがよく人数分を間違って作っていたこと。
どの話も、なぜか私をあったかくしてくれた。
話が盛り上がるうちに、城に到着した。
私は素早く車から降り、ありがとう、と一言運転士に言うと、早足で門へと向かった。
やっと
やっと
私が大好きな場所に帰れる...!
大きな安堵感とともに
私は門をくぐり抜け
見慣れたドアに手をかけた。
母様
父様
私はアリオンに
帰ってきたよ...
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fruit(プロフ) - neruさん» こんな古くて長すぎる作品を読んでくださって、本当にありがとうございます!!番外編の件、リクエストすごくすごく嬉しいです!!もちろんお受け致します!逐一公開しようと思いますのでお気に入り登録等で通知を受け取ってくださると嬉しいです。しばしお待ちください! (2021年6月30日 14時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
neru - 凄く面白かったです!もしできたら続編・・・というより番外編を作っていただけないでしょうか?夢主が帰ってきた後と結婚した後で時間が空いているのでその間どんな感じだったのか知りたいです! (2021年6月30日 6時) (レス) id: be91a01192 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 葵 林檎さん» 素敵なコメントありがとうございます!!時間はかかっていますが少しずつ直している最中です。言い回しが変わったりバッサリカットしたりしているのでぜひ何度でも見返してみてください!ありがとうございました! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - このお話、とても好きだなああぁ、と心の底の根っこから思います! 私はファンタジーがめちゃ大好きなので、もう、何度も読み返します!! 素敵なお話を作っていただきありがとうございます…! (2021年2月16日 21時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 愛流鈴さん» お返事大変遅くなり申し訳ありません...!このコメントを拝読して、すごくテンションが上がっております!私自身、あまり自信がなくて作品削除も考えていたのですが、コメントを読んで、この作品は残しておこうと思うことができました。本当にありがとうございました!! (2020年9月17日 12時) (レス) id: 332baaf975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2018年7月1日 7時