第326話 ページ42
リベラside
アルジャーノンも無事なようで、
顔を歪ませてラサゴベアの側に立っていた。
ラサ「リベラ...。本当に魔力を取り戻したんですね...。」
そう呟くラサゴベアに、私ははっきりと答えた。
リベラ「ええ。前国王に劣らないほどの力を、完全に。」
私の芯の通った声を聞いたラサゴベアは、軽く笑った。
そしてアルジャーノンの方を向いて言う。
ラサ「アルジャーノン、もう諦めませんか。正直、我々ファナッカもこの星の頂点に立とうと色々と計画してきましたが…リベラがこうなってしまってはもうどうにもならない。そう思いませんか?」
私は、黙ってアルジャーノンを見つめた。
キリトも同じだった。
アルジャーノンは、苦しそうな顔をしながら私を見た。
アル「...もし私がまだ諦めなかったら、どうするつもりだ。」
もし、アリオンが平和にならないのなら
みんなが安全にならないのなら...
私は少し考えてから言った。
リベラ「争いごとは嫌だけど...。アリオンの平和のためならなんだってするわ。キーピングだって、全力で迎え撃つ。今度は守りだけでなく、攻めもね。」
私がそう言うと、アルジャーノンは顔を歪ませたまま小さく言った。
アル「私の計画は...これで終わりか。」
リベラ「っ...」
これで
終わり
これで
この星から
争いがなくなる...
ラサ「アルジャーノン、戻りましょう。みんなに提案して決議しなければ。」
ラサゴベアの言葉に、アルジャーノンは消えそうな声でああ、と言った。
アル「お前達も、もう帰っていいぞ。よくやってくれたな。」
言葉を受け取ったキーピングの兵士たちは一斉に敬礼をし、すぐに退散した。
それと同時にラサゴベアとアルジャーノンの2人は翼をはためかせて
ファナッカの方へと飛び立った...。
すべてが終わった。
私がやり遂げたかったことすべてが
今
終わった...
リベラ「っ...」
私は下を向いて顔を手で覆う。
そしてこみ上げてくる涙を必死に押さえつけた。
終わった
これで
辛い日々が終わったんだ...
やっぱりいくら頑張っても涙は堪えられなくて
顔を覆う手の隙間から涙がこぼれ落ちるぐらい泣いた。
リベラ「っ...!」
すると突然、体が温もりに包まれた。
...私は今、抱きしめられている。
そう認識するのに時間はかからなかった。
リベラ「っ...キリトっ...」
私は必死に名前を呼んだ。
8人がお気に入り
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fruit(プロフ) - neruさん» こんな古くて長すぎる作品を読んでくださって、本当にありがとうございます!!番外編の件、リクエストすごくすごく嬉しいです!!もちろんお受け致します!逐一公開しようと思いますのでお気に入り登録等で通知を受け取ってくださると嬉しいです。しばしお待ちください! (2021年6月30日 14時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
neru - 凄く面白かったです!もしできたら続編・・・というより番外編を作っていただけないでしょうか?夢主が帰ってきた後と結婚した後で時間が空いているのでその間どんな感じだったのか知りたいです! (2021年6月30日 6時) (レス) id: be91a01192 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 葵 林檎さん» 素敵なコメントありがとうございます!!時間はかかっていますが少しずつ直している最中です。言い回しが変わったりバッサリカットしたりしているのでぜひ何度でも見返してみてください!ありがとうございました! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - このお話、とても好きだなああぁ、と心の底の根っこから思います! 私はファンタジーがめちゃ大好きなので、もう、何度も読み返します!! 素敵なお話を作っていただきありがとうございます…! (2021年2月16日 21時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 愛流鈴さん» お返事大変遅くなり申し訳ありません...!このコメントを拝読して、すごくテンションが上がっております!私自身、あまり自信がなくて作品削除も考えていたのですが、コメントを読んで、この作品は残しておこうと思うことができました。本当にありがとうございました!! (2020年9月17日 12時) (レス) id: 332baaf975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2018年7月1日 7時