愛を知らない王女が、愛を学ぶ物語【7】

第315話 ページ31

リベラside


リベラ「っ完全復活したよーーーー!!!」

私がそう叫ぶと、キリトはすぐに返した。


キリト「...やっと、帰ってくるんですね。」

心から安堵したような声でそう言われ、力が入っていた全身の筋肉が弛緩した。

リベラ「うんっ!今度こそ絶対、必ずアリオンに帰るからねっ...!」


魔力が完全復活したなら

絶対

絶対勝てる

私は

アリオンに帰れるっ...!!!!




私は深呼吸をして、キリトに言う。

リベラ「じゃあ、今から少し魔力の練習してから、明日のclock総会に臨むね。キリト、必ず勝つから、応援していて。」

明るい声で、そう言う私に、キリトは優しさで溢れた声で返した。

キリト「もちろんです。リベラ様の生還を、心待ちにしています。」

私は、自然と人生で1番笑顔になった。

リベラ「うんっ!」

私がそう言うと、キリトは「では、失礼します」と言って、丁寧に電話を切った。



キリトは多分

マナにも、ミオにも、レナにも、誰にも、私が明日決戦を迎えることを伝えていない。

私から連絡があったことさえも言っていないかもしれない。

だから今日も、私を誰とも話させなかった。

最後の最後まで、私を信じてくれた...



魔力が完全復活して

キリトに想いを告げるのは今はやめようと思った。

ちゃんと顔を見て

私も好きだよって言いたい。

キリトには不安な思いをさせるかもしれないけど

それでも面と向かって言いたい。


私たちは

...ずっと、両想いだったんだねって

伝えたい。


そのためにも

必ず明日決着をつけて

アリオンに帰る...!!

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
次の日


ピピ

ガチャッ

私は早朝に鳴るアラームを一瞬で止めた。


マイノを起こさないようにゆっくりと毛布をめくり、静かに準備をして部屋を出る。


廊下をスタスタと歩き、広間に着くと、既に何人かのヴァレットが来ていた。

ミーク「リベラ、おはよう。」

リベラ「おはようございます。」

ミークもclock総会に来ることになってたんだ...。

私はそう思いながら、自分の仕事に取り掛かった。




昨日の夜は、あれから何回か魔力を出す練習をして解散した。

やはり何度やっても体から魔力が無くなることはなく、完全復活したことを示していた。

自分で自分の気配を消すのも出来るようになり、今はラサゴベアたちに気づかれないよう必死に隠している。

今日、リニャーノは助けてくれない。

何としてでも自分の手だけで勝たなければ...!

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