第311話 ページ27
リベラside
するとリニャーノは軽く頷いた。
ユラス「ああ...。もちろん。しかし、」
そこまで言ったところで、リニャーノは言葉を止めた。
私は少し驚いたが、黙ってその続きを促す。
しばらくすると、案の定、リニャーノは言葉を続けた。
ユラス「もちろん、最後に送り届けてやろう。しかしその前に...残された私に出来ることをしたい。」
残されたリニャーノにできること...?
私はよくわからないまま、うんと返す。
リニャーノは、私の方を見てはっきりと言った。
ユラス「キリト殿やマナやアリオンのひとたちに、言いたいことがあれば伝えておくぞ。なにか言いたいことはないか?」
みんなに
言いたいこと?
リベラ「っ...!!!」
その言葉で思い出した。
伝えたいこと
私が...最後に言いたいこと...
私は咄嗟にポケットに手を入れる。
リベラ「あっ...」
あった...!!!!
肌身離さず持っていた
唯一キリトと繋がることの出来る
携帯電話...
私はすぐにその携帯電話を出した。
それに気づいたリニャーノは、ああ、と言った。
ユラス「それがあったな...。電話するか?」
私はうんっと頷いた。
最後に
最後に
キリトに想いを伝えたい...
私は携帯を開き、連絡先からキリトの連絡を選択した。
すぐに携帯を耳に押し当てると、無機質な機械音が一定のリズムで鳴っている。
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ...
接続していることを示す音がなり続ける。
お願い...
繋がってーーー
ユラス「どうだ...?」
私は携帯に耳を集中させながら、軽く首を横に振る。
ユラス「...明日clock総会だと知っていて、連絡を待たないとは考えにくい。そのままかけ続ければ繋がると思うぞ。」
そうよね...
そう信じたい...!
テンポを変えずになり続ける電子音
連続する音が途切れるのを待ち続ける。
ピピピピ
ピピピピ
ピピピピ
ピピピ
リベラ「っ...!!!!」
突然
電子音が途切れた。
今は繋がらないと言われるか
心待ちにしていた声が聞こえるか
私は息を飲んで彼の声を待つ。
「はい。キリトです。」
リベラ「っ...キリト...」
大好きで
大好きで
大好きで
想いが溢れて止まらない
落ち着かせてくれて
あったかくしてくれる
...愛するキリトの声を聞いて
私はその場に泣き崩れてしまった...。
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fruit(プロフ) - neruさん» こんな古くて長すぎる作品を読んでくださって、本当にありがとうございます!!番外編の件、リクエストすごくすごく嬉しいです!!もちろんお受け致します!逐一公開しようと思いますのでお気に入り登録等で通知を受け取ってくださると嬉しいです。しばしお待ちください! (2021年6月30日 14時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
neru - 凄く面白かったです!もしできたら続編・・・というより番外編を作っていただけないでしょうか?夢主が帰ってきた後と結婚した後で時間が空いているのでその間どんな感じだったのか知りたいです! (2021年6月30日 6時) (レス) id: be91a01192 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 葵 林檎さん» 素敵なコメントありがとうございます!!時間はかかっていますが少しずつ直している最中です。言い回しが変わったりバッサリカットしたりしているのでぜひ何度でも見返してみてください!ありがとうございました! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - このお話、とても好きだなああぁ、と心の底の根っこから思います! 私はファンタジーがめちゃ大好きなので、もう、何度も読み返します!! 素敵なお話を作っていただきありがとうございます…! (2021年2月16日 21時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 愛流鈴さん» お返事大変遅くなり申し訳ありません...!このコメントを拝読して、すごくテンションが上がっております!私自身、あまり自信がなくて作品削除も考えていたのですが、コメントを読んで、この作品は残しておこうと思うことができました。本当にありがとうございました!! (2020年9月17日 12時) (レス) id: 332baaf975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2018年7月1日 7時