愛を知らない王女が、愛を学ぶ物語【7】

第309話 ページ25

リベラside

いつもの場所に降り立った。

私はリニャーノから離れると、そのまま彼女の方を向いた。

元々の身長に加え、ヒールのせいで私は目線をあげることになる。

下から見ても、美しくて整った顔。

この人には何度も救われた。

最初出会った時もわざと私を勝たせたし

失った記憶を取り戻させてくれたし

何より裏clock潰しに最も力を貸してくれた。


大事な恩人の彼女と会えるのも今日が最後。



私は私の目を見たまま口を開かないリニャーノの目を見つめながら


言いたくなくてたまらないことを口に出す...。


リベラ「...魔力を完全復活させる方法、考えつかなかった。」


私がそう言うと、リニャーノは目を少し見開いた。

やはり

そうだったか。


私がリニャーノの感情を理解した瞬間、彼女は険しい顔つきで口を開いた。

ユラス「わ...たし、も。考えつかなかった...。」

そう言ってすぐに彼女は、私を引っ張って




力強く抱きしめた。

リベラ「っ...」


私は





一生大好きなひとたちに会えないまま





地球に幽閉されて





死んでいくんだ...




必ず帰ると言ったのに

みんなにそう約束したのに

私は約束を破ってしまった...。





ついにその事実が私を襲った瞬間

涙を止めることなどできなかった。



ユラス「すまないっ...すまないっ...!結局助けてやれなくて、なんの力にもなれなくて。本当に...」


リニャーノはそう言って力強く私を抱きしめた。

彼女もまた、涙しているようだった。


私はリニャーノの背中をぎゅっと握って一生懸命首を横に振った。

リベラ「リニャーノはいっぱい私を助けてくれた...。これは私の努力不足。今まで楽して逃げながら生きてきた私に、バチがあたったのよ。リニャーノは何も悪くないわ。ありがとう。今までたくさん支えてくれて、ありがとっ...」

最後、嗚咽で声がつっかかった。

今度は私がぎゅっとリニャーノを抱きしめた。


ユラス「リベラを幸せにしてやりたかった...。ちゃんと、他の人と同じように、幸せに過ごして欲しかった。本当にすまないっ...。リベラっ...!!」


リニャーノは本当に

私のことを思ってくれてる

きっとこれからも

後悔して、し続けて

自分を追い込んでしまう。


リニャーノまでも傷つけてしまう結果になって

悔いしかない

辛い

辛い

私を信じてくれた人を

裏切ってしまった




みんな

みんな

ごめんねっ...

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