ゆきや ページ7
* 樹 10才 *
俺
吹雪の夜、行き倒れた母親の腕の中で泣いていた赤ちゃんだった
ヒロさんはいわゆるハンセイフウンドウをしているレジスタンスLDHのダイヒョウ
ツヨキを助け、ヨワキを挫くセイフが許せないって言ってる
今のソウリダイジンはオモテムキはミンシュシュギ
でも、裏ではイホウなことをたくさんしてる悪い人
グンタイを使ってコクミンにひどいことをしてるって
特にひどいのはキョウセイレンコウ
いわゆるヒトサライ
人狩りって裏では呼ばれてるらしい
俺もどっかからさらわれて売られそうになったとき、LDHに助けられたんだ
一緒にいた北人と慎もそう
LOVE、DOREAM、HAPPINESSのカシラモジをとってLDH
愛、夢、幸・・・キレイな言葉だと思うよ
だってヒロさんの理想なんだから
LDHの本拠地には俺みたいな子供が何人もいて、
それぞれが7才になると軍事訓練を始めた
『 自分を守るため、弱い者を守るため
そしていつか出会う大切な人のために強くなれ 』
力強く言ったヒロさんはこうも言った
『 本当は武力の必要がない世界が理想だがな 』
そう言った口元は寂しそうに震わせていたけど・・・
格闘術も武術も嫌いじゃない
強くなればなるほど、ヒロさんや先輩たちが褒めてくれる
何より俺が上達する姿を
俺の膝の上
泣き止んだ
「 いつき、どっかいたい? 」
「 えっ? なんで? 」
「 ここ、ギュってしてる 」
俺の眉間のしわを指さす
そして『 いたいのいたいのとんでけ 』って頭をさする小さな手のひら
もうすぐコイツも7才になる
ねえ、ヒロさん、
*
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作者名:姫保 | 作成日時:2018年10月20日 0時