１６７、奇術師は掻き回して ページ8
朝食に呼びに来たというマチの言葉に、私たちは部屋を出た。普段はそれぞれが作るなりするのだが、私の部屋はキッチンがないからクロロの部屋で作ったのだそう。
もっとも、部屋主は広間の方にいるらしいが。
「ま、敵とかじゃなくて良かった。アイツは敵も同然だけどさ」
「ボクがソフィアに危害を加えるわけないじゃない◆」
「黙れ変態。全く、こんなんに気に入られるソフィアが心配だよ」
朝食を食べる私の前で言葉の応酬を繰り出すマチとヒソカ。というより、マチが一方的に嫌ってるだけ……のような。
「あの、マチ、ヒソカはちゃんと優しい人よ？」
「ないね。この変態が優しいとかおぞましくて寒気がする」
顔をしかめて即答されてしまった。やっぱり皆ヒソカに対する感じ方が私と違う気がする。
そう思ってヒソカの方を見ようとすると、その間にフェイタンが難しい表情で割って入ってきた。そういえば、彼にも質問したいことがあったのだ。
「フェイタンはどうして私の部屋に？」
「……侵入者感じたら迎撃するの常識よ。死なれたら困る」
「あ、それで……」
確かにマチも侵入者と間違えていた。フェイタンもたまたま近くを通っていて、ヒソカのオーラを感じ取ったんだ。
私が死んだら困るというのは、昨夜の脅しのことを覚えていたのだ。
「……オーラの持ち主を間違える程キミらが弱いとは思えないケド──」
ヒソカが何かを呟いたのと同時に、フェイタンから強く鋭い殺気が発せられた。まるで念に支配されていた時のようなそれに、思わず立ち上がってフェイタンの腕を取る。
動揺したようなフェイタンの声と、目を丸くするヒソカと、怪訝な表情をするマチをよそに私は彼の中にある自分の能力を探る、
まだ、効いてる。
ホッとしたその時、視界をトランプが通りすぎて──鼻先を掠めた。
「何するの、ヒソカ」
「それは此方の台詞だよ。仲良く手を繋いで、何してるんだい◆」
「フェイタンが殺気を放ったから、もしかして命令が切れたんじゃないかと思って確認しただけ」
言えば、ヒソカは不機嫌な表情で私を見つめたまま指先でトランプを弄び始めた。
「命令？◇」
「……ええと。話していいのか、わからないけど」
「ああ、アタシが説明してくる。ソフィアはそれ食べきりな」
チラリとマチに視線を送れば、彼女は私の意図を汲んでくれたようで一つ頷くとヒソカを連れて廊下に出た。
それを見届けて掴んでいた腕を放す。
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ユウ - 一気読みさせてもらいました。応援してます。ヒソカ落ち希望です！ (9月18日 1時) (
レス) id: 9180eb740d (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 更新待ってます！！続きがとても気になります！！イルミ落ちがいいです！ (2022年6月6日 0時) (レス) @page32 id: b76b8db090 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 作品読ませていただきました！！とても面白くてこのシリーズ大好きです！もし、この作品がまだ更新されるのであれば、気長に待ってます！頑張ってください！！ (2021年1月30日 18時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 初めて作品を読ませていただきました！私はこのシリーズがとても大好きになりました！もし、作者様がこの作品を覚えているのであれば更新されるのを楽しみに待っています！ (2021年1月1日 21時) (レス) id: 5e84d40654 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新待ってます！ (2020年3月24日 18時) (レス) id: 94544c805e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年9月4日 4時
