※寒い夜も二人なら ページ20
※若干のR指定表現あり、苦手な方は回れ右
寒い日が続くと、どうしても人肌が恋しくなる。故に距離感が普段以上に近くなってしまうのは、最早仕方のない事だ。とは言っても、私たちは普段から距離感近い方なんだけども。
「…新菜」
『やだ、寒いもん』
彼の腕の中に収まる私の耳元、喉、手のひら…と彼の唇が掠めていく。あからさまなアピールに、始めは即座に否定して自分の身を守るようにかき抱く。しかし彼はそれで諦めのつく男ではない。
「…なあ、ダメか?」
『んっ…手ぇつめた…』
首筋を彼の手が這う。彼は私と比べても体温は低めだ。今だって、私ではなく彼が暖をとりたいだけで…。いや、私もくっつきたいのはあるし、暖房に頼るよりは人肌が良いってだけで。…なんて言い訳じみた事を考えていたせいか、その少しの隙に主導権は取られた。
「あっためてくれよ、honey?」
『もう…そう言って、くっつきたいだけでしょ』
「まあ、確かに理由なんて何でも良いんだ…お前に触れられればな」
彼はそのままうつ伏せ状態で覆い被さると、首筋に唇を寄せてくる。先程から含みのある位置へのキスに、流石に絆されてきた自分がいた。…やっぱり私は彼に甘い。私は服に忍び込んできた冷えた手に自分のそれを重ね、今度こそ唇に降ってきたキスに応えたのだったー。
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『秀一さあ…ほんと、私が断れない言葉を選ぶの巧すぎるよね』
「お前は俺に対しては割と分かりやすいからな…。遠回しすぎる言い方では躱されてしまうし、なるべくストレートが一番良いのは理解している」
『うう…我ながらチョロい!』
「俺だけだろう、なら問題ない」
そう満足げに呟いて私の髪をそっと撫でる彼の表情の、何と涼しげな事か。…先程まで散々激しく私を抱き、宣言通りにすっかり体温を上げた後とは思えない。じっと目を合わせると、余裕ぶった顔が少しだけ歪んだ。
「…そんな目で見るな、せっかく収まったというのに」
『…今更何言ってるの』
少しだけ挑発するように吐き捨てる。案の定、まだ潤んだままの瞳は彼を煽るのに充分だったらしい。彼の唇はやけに熱くて、触れられる度に本能的に逃げようとする私の身体を、彼の腕がしっかり引き寄せた。
『ひゃ…』
「まさかお前が誘ってくれるとはな…お望み通り、もう一度じっくり愛してやるよ」
言葉尻に一抹の不安も感じつつ、私はまた彼に身を委ねる。寒さはもう、感じる事はなかった。
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キスの位置とその意味がセクシーで好きです
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リュウヤ(プロフ) - 優花さん» メッセージありがとうございます。私はまだ映画を見られていませんが、赤井さんが1番の推しです。なかなか話を書く余裕がないため一旦停止としてますが、見つけてくださってありがとうございます。励みになります! (2021年7月6日 0時) (レス) id: 8b594e4d48 (このIDを非表示/違反報告)
優花 - 緋色の弾丸を見て、ココに来ました。 赤井さんはカッコいいですよね! 詳しくはないですが、コナンの中で、一番の押しです。 更新停止なのは仕方がないですが、復帰を願っています!頑張ってください! (2021年7月4日 20時) (レス) id: ef3d2855ab (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - 真由さん» メッセージありがとうございます。理想だけ詰め込んだ赤井さんです…!映画もうすぐですね、ぼちぼち構想練ろうかな〜と思いつつあります。観に行ったら正気でいられる自信がないですね…w (2021年4月14日 17時) (レス) id: 441313cccd (このIDを非表示/違反報告)
真由 - 丸々1日かけて一気読みしました!めちゃめちゃめちゃ好きです!!!毎シリーズ(?)赤井さんのスパダリ具合にぎゃあぎゃあ叫びました笑次の更新までにもう一周してこようと思います。(((\(≧∀≦`)/))) (2021年4月13日 20時) (レス) id: 553236276e (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - 星の桜さん» メッセージありがとうございます。随分前の作品を見てくださってありがとうございました。そちらもコロナにはお気を付けて。気長にお待ちください! (2020年4月27日 8時) (レス) id: 441313cccd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リュウヤ | 作成日時:2018年7月27日 23時