赤井秀一の悪友4th【名探偵コナン】

※意地が悪いのはお互い様 ページ16

※少しR15表現あり、苦手な方は回れ右

『いや、私が返事する前に切られて良かったのかも。私絶対声笑ってるもんね？流石に…ふふっ…分かるよね？』

「ええ…完全に声が笑ってますね」

『やばい…どんな顔して会おう…絶対怒るわあいつ。ポーカーフェイス…ポーカーフェイス…』

部下が、この人本当に大丈夫だろうか…みたいな目で見てきたけど私は気にしない。多分大丈夫ではない、彼の事だから私がどんな様子で聴いていたかくらい予想はつくはずだ。

ーーーー

「…で？お前絶対笑ってたよな」

『何でそこ断定するの…はいスミマセンその通りですごめんなさい正直めっちゃ面白かったです』

「新菜？」

『…秀一の事だからそんなに心配はしてなかったもん』

事情聴取から解放され、戻ってきた秀一を誤魔化すように視線を逸らせば、片手で無理矢理顔を固定された。地味に掴まれた顎が痛い。思わずホールドアップしてしまう。

「前から思っていたが、お前割と俺に対してはばかりなく物事を言うよな…」

『だって、今更何を遠慮する必要があるの？下手に誤魔化して疑われるくらいなら、怒らせるの覚悟で正直な感想言うわよ私は。知ってるでしょうに』

「そういう奴だよなお前は…。いっそ清々しくて好ましいとすら思えるよ」

『それは良かった…っと？』

にっこり笑った秀一は、私をそのまま押し倒した。…うん、これは逃げられないやつだ。伸ばそうとした手は、両方共に片手で上手いこと絡め取られてしまった。

「それはそれとして、俺のこの持て余した感情に付き合ってもらおうか？」

『実の所、ちょっと腹は立ったんでしょう』

「まあ…その余裕そうな顔を、俺の手で崩してやりたいとは思ったが」

『…そんな、タチが悪いいじめっ子みたいな』

「男なんて、惚れた女の前ではそんなもんだ」

するりと私の頰を指先で撫でたかと思えば、覆い被さるように唇が塞がれた。抱きしめて欲しいし抱きしめたいのに、腕が彼に取られていて上がらない。もどかしさが多分表情に出ていたのであろう、彼が唇を離して意地悪な目で笑った。

「手、動かしたいんだろう？」

『…意地悪』

こちらが何も出来ないのをいい事に、彼は空いている片手で好きに私に触れる。…もどかしい。

「…ああ、やっと見られたな」

その表情が見たかった…と言うが早いか、舌舐めずりをした彼が私の服に手をかけた。

「大丈夫だ、優しくしてやる」

『嘘くさい』

笑いつつも、私はようやく彼を抱きしめたのだった。

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