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泣かないって決めたのに、1度流れ始めると止まらないのが厄介だ。
『廉の気持ちが変わればいいのに…って…ッ』
どこまで行ってもわたしは諦めが悪い。
『このままわたしと付き合っててもいいかな、って…思ってくれてたらいいのに…って、』
困った顔で微笑む廉がすべての答えを物語っている。
｢A泣かんといて。俺はもう涙拭いてやれんくなるんやから、｣
長い指でわたしの頬に伝う涙を優しく拭いながらそんな現実を突きつけられたら、その言葉さえも嘘なんじゃないかと思ってしまう。
｢俺、Aと付き合えてほんまに良かったと思ってるよ。｣
『…っ、うんっ…わたしもっ…幸せだったよ…』
抱きしめられた廉の腕の中で、この温もりを感じるのも最後なんだと思ったらやっぱり寂しくて。
廉の腰に腕をまわせば、そっとわたしたちの間に距離が作られた。
『……んっ…』
優しく、突然に重なった2人の唇。
初めてだった。
この4ヶ月廉は1度だって手を出さなかったのに。
『…ズルいよっ、廉のこと忘れられなくなっちゃう…ッ』
｢ごめんな、ほんまにごめん。｣
『でも…ありがとっ』
ほんとはずっと寂しかった。
温もりを知ってしまうと離れられなくなるから、と廉がキスさえもしてくれない理由は聞いていたけど
短い時間しかないからこそ、ほんとはもっと愛を確かめたかったのだ。
『廉、今までほんとにありがと。元気でね。』
｢Aも。ずっと笑っとってな、｣
『うんっ、だいすきだったよ。 』
玄関のノブに手をかけて、わたしは後ろを振り返らずに部屋を出た。
もちろん流れる涙なんてとまりもしないまま。
『はぁ、おわっちゃった…』
期間限定の恋の魔法は、消えてしまった。
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なな - 本当に切なくて、でも、どこか幸せで温かくて、涙がとまりませんでした。だいすきです！ (2018年10月2日 4時) (
レス) id: d317cbb504 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - お互いに好きなのに別れるとゆう選択、切ないですよね…二人にとって幸せな瞬間があったってゆう事実がその後の人生にいい影響を与えていたらいいなと願ってます!! (2018年10月1日 9時) (携帯から) (レス) id: 075c6f1d28 (このIDを非表示/違反報告)
Yuka(プロフ) - 涙止まらないくらい切ない。。でも、好きな作品でした！出会えて幸せでした！また続編も楽しみにしています！ (2018年9月16日 21時) (レス) id: e3f933bc47 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます！今書き上げている作品が終わり次第続編を始められたらなと思っていますので楽しみにしていていただけると嬉しいです！ (2018年8月8日 23時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 卍さん» ありがとうございます！またこちらでお会いできたら嬉しいです！ (2018年8月8日 23時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るる
| 作成日時：2018年7月16日 20時
