TH ページ32
JM「別れた」
っていうジミンの声が、
更衣室に響いた。
TH「は?」
今日の衣装は、首の部分が痒くて、
早く脱ぎたい、
それしか考えてなかった。
JM「お礼はいらないよ」
ジミンはそう言って、困ったように、
でも少し悲し気に笑った。
TH「なんで別れたの」
なんて聞かなくても、わかってた。
ジミナは俺と、Aのために、
別れたんだ。
JM「まだ遅くないと思うよ」
私服に着替えたジミナは、
春らしいパステルカラーのトレーナーを着て、
髪の毛をワサワサさせる。
JM「今更、とか、もう遅いとか。
そういうの、僕から言わせてもらうと
全部言い訳だよね」
TH「ジミナ、」
JM「ごめんとか言うなよ?
まじで気が悪くなるから」
ってフニャって笑う。
TH「じゃあ、ジミナ、」
JM「あ、かといって
ありがとうも言わないでね。
腹立つから」
TH「なんなの、笑」
朝の6時だった。
空は青いってより、紫で。
Aが働いてる店って駅の中だっけ?
今日もシフトかな。
どんな服で会いに行こう。
どんな言葉で、伝えよう。
ってもう、俺は。
こんなにもAに会いたいんだ。
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作者名:やきにくさん | 作成日時:2021年2月11日 15時