TH ページ24
TH「は、」
『来ちゃった』
っていうAは、
喪服を着てた。
俺のこと嫌いなくせに店に来たり、
今度は大邱にまで来るなんて。
TH「俺のこと大好きじゃん」
『違うし。ただ、
おばぁに挨拶したかったんだよ』
まだモクモクあがる灰色の煙。
Aは俺がするように、
コンクリートの地面に座った。
女子がそんなことしちゃダメじゃんって
言いたいところだけど、
俺はそんなこと言える男子でもない。
『テヒョン、大邱が似合うよね』
TH「なにそれ、嬉しくない」
『ソウルより大邱が似合うよ、やっぱり』
って笑う。
TH「こんな街、嫌いだよ」
『前は好きって言ってたじゃん』
TH「あの頃は輝いて見えたんだよ」
Aと付き合ってたあの頃。
Aの隣にいれば、
なんだって輝いて見えた。
って言葉ももう言えない。
そんなことがAに言える男は、
もうジミナしかいない。
『はなびら』
TH「え?」
『ついてる』
TH「どこ?取って?」
って頭を向けたら、
え、って顔をAがするから、
あ、俺間違ったな、って思って
自分で取ろうとしたら、
Aが手を伸ばす。
『はい、取れたよ。
………もう桜の季節だなんて早いよね』
ってAが微笑む。
.
.
.
.
あぁ、全然ダメだ。
Aのこと、
まだ全然好きだわ、俺。
.
1267人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:やきにくさん | 作成日時:2021年2月11日 15時