TH ページ23
大邱って、
何色ですか?
って聞かれたら、
灰色って答えると思う。
なんでかわかんないけど、
俺にとっての大邱って、
なんか灰色だ。
ばぁちゃんを燃やして
モクモク上がる、
その煙も、灰色だ。
スーツで、外の地面に座る俺を、
母さんは、
眉間にシワを寄せて見下ろした。
TH「俺の金ってさ、
ちゃんとばぁちゃんの治療費として
払われてたんだよね?」
母「どういう意味よ」
TH「わかってんだろ」
母「親に対してその口の聞き方は何よ、」
TH「親?……親って、笑」
コンクリートの地面に、
白い石をガリガリさせると、
字が書ける。
昔、よくこんなことして遊んでたな
TH「俺の金、自分の借金に使ったんじゃないの」
母「……そんなこと、しないわよ」
TH「したんだね、最低だね」
治安が悪いって有名の
俺が生まれたこの街は、
どんどん廃れてく。
理由なんて、すぐわかる。
母「しょうがないでしょ、
お母さんだって大変なのよ」
こんな大人しかいないから、
こんな街が出来あがるんだ。
TH「帰ってこなきゃ良かった。
相変わらず、クソな街だよね」
母「………それでも、あんたが
生まれた街でしょ」
空を見上げたら、
気持ちいいくらい晴れてた。
桜の花びらが
舞って、
目の中に入りそうになる。
何にも成長しないまま、
どうしようもないダメ人間のまま、
俺は、25度目の春を迎えた。
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作者名:やきにくさん | 作成日時:2021年2月11日 15時