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TH「食べる?これ、好きだったでしょ?」









って、テヒョンはポケットから
ビスケットを出す。

2人っきりが気まずいのは私だけで、
テヒョンはあぐらをかいて座った。









『………ビスケット、粉々だし』

TH「あ、まじ?ごめん、笑」

『……、』

TH「座んなよ、どうせあと1時間くらい
エレベーターこのままだよ」

『嘘でしょ?』

TH「ほんと。いつかは動くから安心して」






テヒョンは、
相変わらず優しかった。

ずるかった。

私は前よりもっと、
テヒョンが嫌いになった。









TH「変わったよね」





『え?』





TH「前は可愛らしかった。今は綺麗だ」

って、なんてことないように
ビスケットを食べながらそう言うから、
私はまた苦しくなった。

テヒョンは、どんな気持ちで
言ってるんだろう。









『………世の中の元カレ、元カノは、
エレベーターで2人っきりになったら
何を話すんだろう』





TH「世の中の元カレ元カノは
滅多にエレベーターで2人っきりにならないよ」





って、下を向いて
テヒョンが笑う。







TH「なんで7階に用事あるの?」





『ジミンに、上着借りてたの。
返したいって連絡したら、
7階に来てって』





TH「………ふぅん、」




ジミンの名前を出した時、
テヒョンは少しだけ眉毛がピクって動いた。









.

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作者名:やきにくさん | 作成日時:2021年2月11日 15時

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