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駅前って、いろんな人がいる。
ほとんどがサラリーマンで、
高校生、中学生、
職業柄がわからない派手な髪色をした人達。
社会人になっても、
私は高校生のときみたいに
バナナウユを飲んでしまう。
あの頃に囚われてるのは
私だけで、
テヒョナはもうずっと先にいて、
私のことなんてどうでも良くて、
他の女の子と遊びまくってるっていうのにね。
高校のとき、
私とテヒョナは付き合ってた。
通学しながら、
バナナウユを一緒に飲んで、
同じ香水を買って、
卒業しても一緒って約束した。
高校の途中で私はカナダに
引っ越すことになった。
テヒョナと離れ離れになった。
テヒョンはすごく怒った。
勝手に離れることを決めた私に。
地元の人からテヒョナの噂を
カトクで知った。
“Aの悪い噂、すごい広まってるよ。
……テヒョンが広めたとかじゃなくて、
周りが勝手に話を大きくしたんだよ
噂が一人歩きしたっていうか、”
って、その子は必死だけど、
真意はわからなかった。
テヒョンが噂を広めた可能性だって
十分にあった。すごく、怒ってたから。
久しぶりに韓国に一度帰った時は、
もう、私の居場所はなかった。
“やっぱり金持ちは人の気持ちとか
わからないのよ”
“テヒョンくんの彼女だった子でしょ?
綺麗な子だけど、ちょっと、、ねぇ?”
“一方的にカナダに行くって決めたらしいよ。
テヒョンくん、1人残して”
“テヒョン可哀想”
町の人はみんなテヒョンの味方で、
私のことを理解しようと歩み寄ってくる人は
いなくて。
お門違いなのかもしれないけど、
私はテヒョンを許せなかった。
私の居場所をくれたテヒョンが、
最終的には
その居場所を奪って、
なかったことにした。
わかってる、
私達は若かった。
若すぎた。
高校生、まだ子どもだった。
それでも私は、許せなかった
.
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作者名:やきにくさん | 作成日時:2021年2月11日 15時