輝く月のように 4 (ページ38)

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Aちゃんたちが無事に帰国した、という連絡に3人でほっと一息を吐いた。Aちゃんたちの出国に伴いレッスン時間は短縮されてラウールと3人で康二くんの家に来ていた。レッスン中も現地に居る佐久間くんと阿部ちゃんから連絡は来ていたけど、眉を寄せながら何も言わない先輩たちにあからさまに7人の絆を見せつけられて不快感を感じていた。

ラウール「Aちゃんこの人とデビューしてたかもしれないんだよね」
向井「そりゃショック受けるよな…。だって俺と同い年やで？まだまだこれからやのに…。それぐらい耐えられへんかってんやろうなぁ」
目黒「でも、俺この人の話聞いたことないんだよね」

年齢が離れているラウールや関西Jrだった康二くんよりSnow Manの傍に居たけれど、Aちゃんの口から頻繁に出てくる韓国の友人の名はジャニさんとスルギさんの2人だけ。

ラウール「全部の交友関係は言わないんじゃない？」
目黒「あとAちゃんって韓国で練習生してたことは話してもデビューするはずだったって話もしてないんだよ」

それを知ったのはネットニュースだ。元メンバーや事務所の人達がインスタでデビューを祝ったことで発覚したそれは俺たちには寝耳に水だった。Aちゃんは「言いづらくて…」と眉を下げて内緒にしていたことを謝ってくれたけれど。メンバーだから全てを話せなんて言えないのは分かってる。それでも、知りたいと思うのは強欲なのだろうか。

向井「ネットの情報やけどさ、歌録りまでしたのにデビュー出来へんかったって。デビュー出来へんかった理由は分からんけど、Aちゃんやからなにか不祥事を起こしたってことは無いと思うし。例えば俺がいま事務所からやっぱお前はデビュー無しね、って言われて奈良に帰ったとするやん。どんだけ仲良くても俺はめめにもラウールにも連絡取られへん。そんなん……無理や」

康二くんの例え話がストンと入ってきた。ああ、それは無理だ。俺も同じだ。ジャニーズで知り合った全ての人との関係を切っちゃうな。ラウールも納得したように頷いた。

ラウール「Aちゃん会うって約束したって言ってたんだよね。きっとデビューが決まったことでもう一度やり直したいって勇気を出して、彼女もそれに応えてくれたんだろうね」

けれど、見ず知らずの人間の悪意が再び繋がる縁を断ち切った。