お話 ページ44
粟田口部屋から漂う邪気。きっとこれは乱からだ。
『乱』
不信感を抱かせないように、自然体で部屋に入る。
乱「……主、さん」
部屋の隅でうずくまり、垂れ下がる髪の間から見せる光を宿していない虚ろな瞳。
『もー、みんな宴の準備をしてんのに、一人だけサボり?』
乱の前に座り、軽く説教っぽく言ってみる。
乱「主さん、ボクを刀解してよ」
『何言ってんの？ 私は誰一人として刀解しないよ』
乱「そんな言葉いらないよ。本当はボクが使えないから必要としてないんでしょ？」
どんどん乱の眼が赤黒くなっていく。
ヤバい。時間が無い。
『そうだね。この本丸に、今の乱は必要ないかな』
焦りを感じつつも、絶対に顔には出さずに淡々と乱との会話を進める。
『自分を責めたり、否定的な言葉ばかりしか言わなかったり、部屋に籠もってる乱は私の本丸の乱じゃない』
乱は悪くない。自分を責めないで。
『私の本丸の乱はいつも元気で、女の子らしくて私に沢山可愛くなれるアドバイスをくれたり、時には誰かの役にたとうとしたりする』
私の知っている乱は、後ろ向きなことを言わないから。
『でも私の本丸の乱は、突然居なくなっちゃった。代わりに今の乱が私の居ない間にすり替わってた。どうして居なくなっちゃったと思う？』
あえて乱に問う。
乱「守るべき人が、守れなかったから」
『そう。帰ってきてからそのことを聞いたんだ。私の知ってる乱がいきなり居なくなっちゃったから、私寂しいんだよね。何処に行っちゃったのかな』
私もみんなも、乱を待ってるんだよ。
『逢いたいなぁ、戻って来て欲しいなぁ』
乱「ボクに、何が言いたいの?」
『もうさ、過去のことをいつまでもうじうじ引きずるの止めない？ 私悲しくなってきちゃうよ』
だから、早く戻って来てよ。
少しずつ戻り始めていく、乱の水色の目。
『乱があの時私を守ってくれなかったら、私は時間遡行軍に殺されて、今此処には居ない。乱は刀としての役割を果たしたんだから、自信を持てば良いんだよ』
乱「でもボク、また主さんを守り切れなかったら？」
『そうなったら、また特訓を積み重ねていけば良いでしょ？』
乱の両頬を優しく包み込む。
乱は涙を拭い、大きく頷く。
『よしよし泣き止んだね。んじゃ、宴の準備に行こうか』
乱の手を取り、二人で大広間に向かう。
やっぱり乱はその可愛らしい笑顔が似合うね。
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まじゅっちゃん(プロフ) - ふじもんさん» ギャーギャーピーピーうるせぇなってことですよ！面白いなって思って使ってみました！（笑） (2018年11月18日 17時) (
レス) id: c4baafbcb4 (このIDを非表示/違反報告)
ふじもん(プロフ) - 待ってギャーピーって何笑ギャーギャーは分かるけどギャーピーって笑 (2018年11月17日 21時) (レス) id: 72a2d2ef64 (このIDを非表示/違反報告)
まじゅっちゃん - 豆王さん» 続編作りましたよ!是非ご覧ください! (2018年8月11日 22時) (レス) id: c4baafbcb4 (このIDを非表示/違反報告)
豆王 - うおっ！続編ですな！お待ちしておりますぞ！ (2018年8月11日 17時) (レス) id: 2f9ad457d5 (このIDを非表示/違反報告)
まじゅっちゃん - 薄桜鬼☆ハルハルさん» コメントありがとうございます!良い作品と褒めていただき光栄です！今後も心に響く作品になるようにより一層頑張ります! (2018年8月7日 17時) (レス) id: c4baafbcb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まじゅっちゃん x他1人 | 作成日時：2018年4月21日 0時
