主を守る資格 〜乱side〜 ページ4
帰ってきてしまった自分の本丸。
先程までの雨は、土砂降りの雨に変わっていた。
主さんを助けなくてはいけないのに、回れ右をして助けに行くことが出来ず、ただ足は玄関へと進むだけだった。
一期一振「み、乱！？ そんなに傷だらけで一体何が……！？」
玄関に一番近い部屋から出てきたいち兄に驚かれた。
いち兄が驚くのも当然だ。だって、弟が傷だらけで半泣き状態のまま玄関に突っ立っているのだから。
「い、いち兄！ ボク、ボク……！」
いち兄を見た途端、涙が押し寄せるようにとめどなく溢れ出てきて、口から出て来るのは言葉ではなく、嗚咽だった。
一期一振「乱、落ち着いて話してごらん」
ボクの両手を優しく握りながら、ボクと同じ目線になるようにしゃがんで話を聞こうとしてくれている。
「主、さんとお出かけしてたん、だけど、遡行軍、が現れて主さんが危なかったから、近くの林、に逃げてて、でも、遡行軍が追い、かけてきて、戦っ、てたら、主さんが言霊を使って、ボクを本丸に、帰還させて、主さんが一人、で、最後の遡行軍を倒して、たんだけど、主さん、誰かに殴ら、れて、倒れて、連れて行か、れた……ボク、主さんを、守れなかった……」
途切れ途切れだったが、いち兄に全てを話した。
本丸に帰還するギリギリに見た、主さんが何者かに殴られて、何処かに連れて行かれるところも。
一期一振「乱、よく主殿を守ろうと戦ったね。部屋に戻っていなさい」
微笑んでいたがその目は笑っておらず、凄まじい程の殺気が込められていた。
「……うん」
時計の針が時間を刻むように、部屋に向かう一歩一歩が遅めのリズムでしか進まない。
頭から足までずぶ濡れになったので、歩く度接触する床と足の裏がじめじめしていて気持ち悪い。
やっとのことで辿り着いた部屋の襖を開けると、沢山の兄弟たちが何事かと集まって来た。
秋田「乱兄さん、そんなに濡れてどうしたんですか!？」
鯰尾「ほら、タオルで体を拭いてください！ 風邪を引きますよ！」
薬研「大将と出掛けに行ってたんじゃないのか？」
みんなの問いに答えられる余裕など無く、また涙が溜まってきた。
「う、うぁ……うぁぁぁぁぁ！」
そのまま泣き崩れ、過呼吸気味になっていた。
主さん、ボク、強くなんてなってない。
主さん一人守れすらしなかったんだもん。
ボクが主さんを守る資格なんて無いんだ。
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まじゅっちゃん(プロフ) - ふじもんさん» ギャーギャーピーピーうるせぇなってことですよ！面白いなって思って使ってみました！（笑） (2018年11月18日 17時) (
レス) id: c4baafbcb4 (このIDを非表示/違反報告)
ふじもん(プロフ) - 待ってギャーピーって何笑ギャーギャーは分かるけどギャーピーって笑 (2018年11月17日 21時) (レス) id: 72a2d2ef64 (このIDを非表示/違反報告)
まじゅっちゃん - 豆王さん» 続編作りましたよ!是非ご覧ください! (2018年8月11日 22時) (レス) id: c4baafbcb4 (このIDを非表示/違反報告)
豆王 - うおっ！続編ですな！お待ちしておりますぞ！ (2018年8月11日 17時) (レス) id: 2f9ad457d5 (このIDを非表示/違反報告)
まじゅっちゃん - 薄桜鬼☆ハルハルさん» コメントありがとうございます!良い作品と褒めていただき光栄です！今後も心に響く作品になるようにより一層頑張ります! (2018年8月7日 17時) (レス) id: c4baafbcb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まじゅっちゃん x他1人 | 作成日時：2018年4月21日 0時
