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臣side
「もう少し…寝かせてあげたいから…。」
咲苺は大切そうに、タオルケットから出ていたAの手を中に入れると、俺達のテーブルへと戻って来た。
「…何か、珍しい状態になってるよね？」
ワクワクした顔のエリー。
…確かに…
「A抜きで、3人が俺らと同じ空間にいるのってなかなかないよね？」
岩ちゃんも楽しそうに言った。
「滅多にない機会なんだから、交流深めるために優雨と蓮温も飲みなさいよ。運転は私がするし？どっちにしたってまるで変わらないなら飲んでもいいじゃん？」
咲苺の言葉に…
「まるで…変わらない？？」
直己さんが興味を示すと…
「そうそう、この２人のお酒の強さは尋常じゃないから。全く変わらないんだよね。」
「咲苺、余計なこと言うな。」
蓮温が軽く咲苺を睨む。
「えー、俺も結構強いって言われるんだよね。じゃあさ、飲み比べようよ？」
俺の言葉に…
「…やるだけ無駄だと思うけど？」
ニヤッと笑った蓮温はいきなり日本酒を頼み出した。
ヒューっと口笛をならしたエリーは
「んじゃ、優雨の相手は俺と直人さんね。」と楽しそうにドリンクメニューを開いて
「うぉい！勝手に俺を参戦させるな！」
直人さんに突っ込まれてあははって豪快に笑っている。
一気に和んだ空間
俺の２杯目のワイングラスが空になった頃…
良い感じで酔い始めた岩ちゃんが3人に質問を投げかけた。
「皆はさ、いつからAに付いてるの？何か特殊じゃん。普通に就職試験パスした訳じゃなさそうだし…。代々、琴平家にお仕えしてる御家とか？」
飲まない代わりにデザートを食べていた咲苺がん？って顔で岩ちゃんを見て…
「A様に出会ったのは……私が１年生でー、優雨と蓮温と…A様が3年生の時よね？」
「そんな前なんだ！じゃあ、昔っからの幼なじみってやつ？」
何気ない岩ちゃんの質問に咲苺がした返答は…
室内の空気を一変させた。
「…幼なじみって言うのかなー？私と蓮温と優雨は孤児院出だから。」
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作者名：◎まる◎
| 作成日時：2018年10月23日 20時
