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隆二side
「A様、そろそろお時間です。」
腕時計を確認した蓮温。
Aはその声に頷くと…
…
ふぅー…
小さく息を吐いて…
意を決したように優平さんに尋ねた。
「お父様を……心から許せますか？」
…
…
蓮温と優雨が驚いた顔でAの背中を見つめた。
優平さんは…
真剣なAの顔を見て…
「…あなたにも、そういう人がいらっしゃるんですね…。」
小さくそう言った後…
「…心から……許せているかは分かりません。
…でも、
…もうそんなことはどうでも良いことです。」
優平さんを凝視しているAに、彼は続けた。
「…母は…どんな目にあっても、最後まで父を待っていました。
琴平さん…
時の流れは…
想像以上に沢山のことを洗い流してくれます。
母は父を信じて待っていた、
父は貴方の手によって母の元へ戻って来た。
僕の家族がやっと揃った。
自分は今、幸せです。
人は、許して、許される存在なんだと思います。
それに…私は、人を許すような立場にはないんです。
私もまた、許してもらわなければならない存在なんですから。」
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作者名：◎まる◎
| 作成日時：2018年10月23日 20時
