検索窓
今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:40,167 hit

2 ページ2

新しい"お父さん"が来て1週間ほど経っただろうか。



珍しく母にリビングに呼び出されて言われた言葉


「あんた深澤さんの息子さんところの寮に行きな」




正直、嬉しかった。

昔から友達に遊びに誘われても、家のことで精いっぱいでいつも断ってた。


1度だけ本当に行きたくて遊びに行った日、

「家事しないやつにこの家に住む資格ない」

って言われてから、家を追い出されて1人で生きていくのが怖くて、ずっと親に従って生きてきた。



寮ならかかるお金も少なくて済むし、都合がよかったんだろう。



深澤さんに住所を教えてもらい、私は必要最低限の荷物をもって家を出た。




教えてもらった寮は家から結構遠くて、電車を2本乗り継いで最寄り駅に着いた時、




「Aちゃーん!!」



いきなり名前を呼ばれて振り向くと、1人の男性が私の名前を呼びながら走ってくる。


知り合いにあんな人いたっけ?と必死に頭を回転させるが思い出せない。



「Aちゃんだよね?」


『あ、はいそうですけど…』


「俺、深澤辰哉!親父から聞いたよ、寮に引っ越してくるんでしょ?」



あれ、予想してた人と全然違う…


てっきりお父さんみたいなチャラい人かと思ってたら、黒髪で笑顔が素敵で感じもいい人。



「俺らの寮結構わかりづらい所にあってさ笑

迷っちゃうかなーと思って。さ、行こ!」




そういってさりげなく私の荷物をもって歩き出した。


私も早歩きでその後を追いかける。




「ごめんね、こんなことになって。」




少し進んだところで、深澤さんが口を開いた。




「いや、俺の親父のせいで家追い出されちゃったでしょ?申し訳ないなって、」



追い出されたのは私にとってはむしろありがたいことだ。



「でも、寮生活すっごい楽しいから期待してて!

…あと、敬語禁止ね。兄妹なのにおかしくない?
みんなからはふっかって呼ばれてるけど、辰哉でも何でも好きなように呼んで。俺も、Aって呼ぶ!」



ニコニコしながら私の名前を呼ぶふっかに、少し胸が高鳴った。

(辰哉はまだ恥ずかしいからふっかって呼ぼう)

3 (T.F)→←1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (82 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
362人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みなみ(プロフ) - 続きが気になります。 (2019年9月1日 20時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:むん | 作成日時:2019年5月20日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。