警察と少年。 ページ50
「し、しかしっ！」と、自身の胸倉を掴む手を牽制しながら、必死に反対しようとする。
確かにそうだ。
仮にも爆豪を作戦に加えたとし、若し爆豪の身に何かあったら、それは全て警察側の責任になる。
只でさえ、今の世はヒーロー中心であるのに、このタイミングで警察の信用を＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
可成移は考えたのだ。
「作戦に加えたら、絶対駄目だ」と。
お互い譲らない均衡状態が続く中、誰かが廊下を走る音が聞こえた。
そして自分達の部屋の前で音は鳴り止み、数秒後、控え目に部屋の扉を叩く。
「入って良いぞ。」と、可成移が少しの威厳を持たせた声で言うと、間髪入れずに警察の人間が入って来た。
「し、失礼致します！ヒッ！」
小さな悲鳴を漏らす。
自身の上司で在る可成移と、その可成移の胸倉を引っ掴む如何にも敵顔の少年の目がこちらを向いているのだ。
怖くない筈が無い。
「え・・・・と」
「・・・・ゴホンッ」
戸惑う部下に、可成移は一つ咳払いして、場の空気を切り替えた。
「どうした。緊急か？」
爆豪に対してタジタジだった可成移だが、結構役職は上の方なのだ。
無様な姿を、そうそう部下に見せられない。
「我々が担当している例の誘拐事件ですが、主犯である“ノア”が先程、我々との通信で可笑しな動きを見せました。」
「・・・・・可笑しな動き？」
「はい。
＿＿＿＿＿＿＿＿誘拐された“個性持ち”の方々が、次々に警視庁前に突如“現れました”。
何故警視庁なのか、今の所不明ですが、誘拐された方々の“半数”の安全は確認出来ました。
それと・・・・・」
「チラリ」と、爆豪と緑谷の方を見る。
何か意思を汲み取った可成移は、「続けろ」と促した。
「・・・・・ノアが、その・・・・爆豪様と緑谷様と話をさせろ＿＿＿＿＿と。
どう致しますか？」
爆豪は、思わず可成移の胸倉を離し、緑谷も思わず、椅子を倒して立ち上がった。
可成移も思わず、真顔になった。
そして瞬時に頭を整理した。
「(待てよ？話をする位なら、本人に危害は加えられない。
どうせ爆豪様は譲らないだろうし・・・・こちらの方が絶対に安全だ！)」
※この間、約一秒。
詰まりは、作戦に加えるより俄然良し！！
「察之(さつの)！御二人をご案内しろ！」
そう。あくまで善意で。
表情には出さず、警察の顔で。
「＿＿＿＿＿＿＿待ってろ、優己。」
爆豪のその言葉に、少し心が痛んだのは見ない事にした。
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ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります (2019年8月7日 13時) (
レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮桜(プロフ) - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！！応援してます！！ (2019年7月22日 7時) (レス) id: 910bb70429 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみー - 続きが,,,気になる！ 更新待ってます! (2019年5月22日 17時) (レス) id: cdcb3e59b3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 本編更新停止似ならなければいいんじゃないですかね？ (2019年5月2日 8時) (レス) id: 57d839eeab (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - 凄くいいと思いますがこちらの作品がまったく進まなくなるのかと少し心配です。 (2019年5月1日 17時) (レス) id: 67d1cef2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年3月24日 13時
