赤、朱、紅、緋、あか、アカ。 ページ38
「！」
握っていたナイフが、降り注ぐナイフに弾かれた。
手から「ジワリ」と赤が滲む。
それを合図とした様に、数本のナイフが頬、腕、脚を掠める。
そしてまた、それ等の箇所から赤が滲み出す。
(戦況が、不利になってしまいました・・・・・)
残ったナイフを交わしつつ、歯を食いしばる。
(ですが、これだけの量を降らせているならば、此方の武器に成るナイフは幾らでも有るという事＿＿＿＿＿＿＿)
絶対的不利という訳では無い。
少し痛む体を手で隠しながら、すきを見てナイフが落ちている床に目を向ける。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿が、“床にナイフは一つも無かった”。
「！？・・・・なっ、んで」
瞳孔がかっぴらかれ、目の前の光景を凝視する。
【馬鹿な】
あれだけ大量に降らせたのなら、足場が無い位にナイフが有っても可笑しくは＿＿＿＿＿＿＿
『足場が無い位』？
無いのなら、私は避ける事も、ましてや動く事も出来ない筈。
(迂闊だった・・・・っ！)
敵が一発芸しかやれない訳が無い。
ましてや、相手の個性はワープ。
しかも、個性の使い方や応用力は、そこいらの敵よりも圧倒的に上。
地面に外と此方とのワープを繋げ、其処にナイフを落としていく事だって可能だろう。
(やられた・・・・)
これでは、素直な体力勝負になってしまう。
そうなってしまったら、私に勝ち目なんて無い。
「っ・・・・・嫌なヤローですね・・・！」
小さく言った心算が、ノアには聞こえていたらしい。
とても嫌な笑みで此方を見て来た。
「あっはっはっ。気付かなかった君の落ち度だろ？」
「・・・・ええ、確かに。
ですが、十四の子供がワープの個性持ちに丸腰で勝てると思いますか？」
皮肉の心算で言った。
返る言葉なんて、想像せずに。
「ああ、思った。
なんたって君は、“彼の妹”だからね。」
「・・・・・どうして此処で、兄さんが出て来るんですか。」
降り止まない鉄の雨を、防げる傘も無しに、只、避けて、避けて、避けるだけ。
そして、精神攻撃を仕掛け始める敵。
「ほらほら！どんどん降るぞ！
次は何十単位でいってみようか！？」
心底可笑しそうに嘲笑うノア。
(何十なんて、避けれる訳、無い・・・・・)
体力だって限界で、視界がぼやけている。
足も棒に成った様で、感覚を失いつつある。
(でも・・・・・っ)
次の瞬間。
「っ・・・！？」
異様な痛みが、足を襲った。
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ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります (2019年8月7日 13時) (
レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮桜(プロフ) - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！！応援してます！！ (2019年7月22日 7時) (レス) id: 910bb70429 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみー - 続きが,,,気になる！ 更新待ってます! (2019年5月22日 17時) (レス) id: cdcb3e59b3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 本編更新停止似ならなければいいんじゃないですかね？ (2019年5月2日 8時) (レス) id: 57d839eeab (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - 凄くいいと思いますがこちらの作品がまったく進まなくなるのかと少し心配です。 (2019年5月1日 17時) (レス) id: 67d1cef2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年3月24日 13時
