絶対的不利 ページ37
速過ぎたのだ。
一瞬の出来事で、理解処理が追い付かない。
ただ＿＿＿＿＿＿
目の先には、己の“赤”が、白い床を彩っているだけだった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿
《数十分前》
身構えた後、ノアは徐に手を掲げた。
そして、勢い良く下ろした。
行動の意味が分からなかったが、次の瞬間、そんなものは吹き飛んだ。
「っ、なっ！」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿天井から雨の様に、数本のナイフが降って来たからだ。
(嘘、でしょう・・・・・！？)
私は私の頭上に落ちるナイフをギリギリで交わしながら、焦りを抱いていた。
(彼の個性は、ワープではないんですか！？)
もしかしたら、この空間そのものが個性なのだろうか？
だとしたら、空間内と空間外の物の行き来を繋げる個性？
ならば、この状況にも説明がつく。
先程の女性達の転送、今現在のナイフの雨も。
全て、彼のワープのせい。
(実に厄介ですね・・・・！)
胴体に当たるスレスレで、私は最後のナイフを避けた。
「はっ、はっ・・・・」
口から漏れる息は、通常より熱い。
心臓が早く脈打っているのが分かる。
(避けるだけで、この疲労・・・・・・・
情けない・・・・・)
だが、ナイフが落ちるスピードは尋常じゃない。
だから息が上がるのだ。
「っ、あな、たの個性、は、ワープ、です、か？」
途切れ途切れの言葉しか紡げないが、仕方無い。
「当ててご覧よ。
ま、上にも集中しろ、よっ！」
無邪気な笑顔を見せながら、ノアはまたナイフを降らせる。
私は現実逃避の意を込めて、一つ瞬きをする。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿次に目を開けば、“ナイフは直ぐ其処に有った”。
そう。
さっき、私の頭上に降り注いだ、数本のナイフの内の一本が。
「・・・・・っ、」
直ぐ様ナイフを手に取り、避けれる物は避け、避けきれない物はナイフで防いだ。
「っ」
＿＿＿＿＿＿＿＿剣を振るった経験は皆無。
言わば付け焼き刃以下。
ナイフだろうが何だろうが、刃物は刃物であり、巧みに操る事なんて出来る訳無い。
よく漫画で「刀なんて握った事ないです！」なんて言っているヒロインだか何だかが、主人公と絶対絶命の危機に陥った時、目の前の障害やらをバッサバサと切り倒していくのを『火事場の馬鹿力』という無理矢理感満載の理由で乗り切っていくチートエピソードの方が可笑しくはないだろうか。
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ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります (2019年8月7日 13時) (
レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮桜(プロフ) - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！！応援してます！！ (2019年7月22日 7時) (レス) id: 910bb70429 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみー - 続きが,,,気になる！ 更新待ってます! (2019年5月22日 17時) (レス) id: cdcb3e59b3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 本編更新停止似ならなければいいんじゃないですかね？ (2019年5月2日 8時) (レス) id: 57d839eeab (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - 凄くいいと思いますがこちらの作品がまったく進まなくなるのかと少し心配です。 (2019年5月1日 17時) (レス) id: 67d1cef2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年3月24日 13時
