倒されない ページ36
兄さんの様に笑った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿刹那。
映像が「ブチッ」という音を立てて消された。
『何が起きたのか』
理解速度は人並みより有る。
恐らく、兄さんのを受け継いだのでしょうね。
とまあ、その話は置いておいて。
映像を消せる人物は、この空間に一人しか居ない。
「ノア・・・・」
目の先には、とても不機嫌な青年が腕を組んで此方を睨んでいた。
「・・・・・・ふざけんなよ・・・」
小さく呟かれる。
それには、少しの怒気が含まれていた。
全体で表していた、怒っていることを。
禍々しい何かが、彼を埋め尽くそうとしているのを。
「＿＿＿＿＿＿＿＿＿抹消しない、ってのやっぱ無しね。」
「っ！」
鳥肌が立つ。
感じた事も無い、殺気。
目のハイライトは無い。
光も。
彼が、恐ろしいものに見える。
「『爆豪優己』矢張り、抹消対象だ。
君を、殺す。」
「！」
『背筋が凍る』とは、正にこの事。
「落ち着け、落ち着け」自分に言い聞かせながら、頭をフル回転させる。
【彼には、余裕がある】
今こうやって話せているのは、彼の『理性』にまだ枷が付いているから。
【銃口は確実に私を狙っている】
けれど彼が引き金を引かないのは、彼自身の『人である為のトリガー』を私がまだ引かせていないから。
地雷を踏むな。
頭を回せ。
踏めば一瞬で灰に成るだけ。
そうならない為には？
兄さんが来るまで、持ち堪える為には？
もしかしたら、とばっちりで少年を巻き込むかもしれない。
それは阻止しなければ。
「・・・・・少年。若し彼が私を殺したら、次は間違い無く君が殺されるでしょう。
其れは嫌なんです。
ですから、どうか私から離れないで下さい。」
「・・・・・ぅん」
小さな声だが、少年から了承の返事を貰い、後ろに庇う。
そして、今も怒りの目を私に向けているノアに向き直る。
「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノア。
貴方が何を企んでいるかなんて知りませんが、事が大事に成る前に、貴方を倒します。」
倒せる訳無いけれど。
諦めるよりは、ずっと良い。
「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿これだから、下らない光に魅せられた奴は嫌いなんだ。
今の内に、その下らない光を好きなだけ拝むと良いよ。」
ノアは不気味に笑った。
「＿＿＿＿＿＿＿＿＿君が行き着くのは暗く冷たい、海の底の様な場所なんだから。」
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ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります (2019年8月7日 13時) (
レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮桜(プロフ) - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！！応援してます！！ (2019年7月22日 7時) (レス) id: 910bb70429 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみー - 続きが,,,気になる！ 更新待ってます! (2019年5月22日 17時) (レス) id: cdcb3e59b3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 本編更新停止似ならなければいいんじゃないですかね？ (2019年5月2日 8時) (レス) id: 57d839eeab (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - 凄くいいと思いますがこちらの作品がまったく進まなくなるのかと少し心配です。 (2019年5月1日 17時) (レス) id: 67d1cef2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年3月24日 13時
