何か ページ35
ずっと黙っている私を不自然に思ったのか、いずくんの慌てた声が聞こえた。
《ゆ、優己ちゃん？本当に大丈夫？
敵に何かされてないんだよね！？
優己ちゃん！？》
「＿＿＿＿＿＿＿」
＿＿＿＿＿＿＿『君は世界が憎いんだろう？』
＿＿＿＿＿＿＿『憎くなんて、無いです』
本当に？
憎くないんですか？
こんな不平等な世界。
こんな不公平な世界。
こんな、世界＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
本当に、憎くない？
私は
私は
私は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
その時、辺りに一人の怒号が響いた。
《クソナード！うっせーぞ！！》
沈んでいた意識を、無理矢理浮かばされる。
何時の間にか頭を垂れていた私は、その頭を上げるなんて気力は起こらなかった。
《・・・・・・・・おい、優己。》
頭上で、不貞腐れた様に私の名前を呼ぶ。
「・・・・・何ですか、兄さん。」
ノアの言葉に、心が揺れたのは事実。
「憎いか」と聞かれて、「はい」と答えそうになった。
敵の言葉に、「ああ、そうかも」なんて思ってしまった。
兄さん。若しノアの言葉が本当なら、ずっと前から聞いていたのでしょう？
ノアの問いに少しでも迷ってしまった事を、貴方は知っているのでしょう？
なら、何時もの様に＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
《＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿テメェ、そこの白え奴に負けたりでもしたら、承知しねぇからな。》
何時もの棘は無い。
優しく、丸みを帯びた声。
「え」
遠回しで、そうなのかすら分からない。
天地がひっくり返ったとしても、有り得る訳無いのに。
なのに＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿兄さんが“心配”してくれている？
言い表せられない程の何かが、どす黒い想いを上書きしていった。
まただ
また、視界が歪んでいく。
頬には、温かい何かが伝う。
嗚呼、兄さん
「は・・・・・・、い・・・・」
画面の中の兄は、不敵に笑った。
《直ぐに救けに行ってやるよ。》
こんなに頼もしい言葉、他にあるだろうか？
「＿＿＿＿＿＿はいっ・・・・・・！」
私も負けじと口角を上げる。
その様子を見た“ノア”は、小さく舌打ちをした。
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ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります (2019年8月7日 13時) (
レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮桜(プロフ) - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！！応援してます！！ (2019年7月22日 7時) (レス) id: 910bb70429 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみー - 続きが,,,気になる！ 更新待ってます! (2019年5月22日 17時) (レス) id: cdcb3e59b3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 本編更新停止似ならなければいいんじゃないですかね？ (2019年5月2日 8時) (レス) id: 57d839eeab (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - 凄くいいと思いますがこちらの作品がまったく進まなくなるのかと少し心配です。 (2019年5月1日 17時) (レス) id: 67d1cef2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年3月24日 13時
