我が方舟にようこそ。【3】 ページ29
「んあぁ！もう、良いよ。
はい、バイバイ。」
乱雑に手を振り上げ、空に何かを書いた。
すると＿＿＿＿＿＿＿
「！？う、うああぁぁぁぁあ！！！」
誰かの叫び声と共に、先程より広範囲の穴が開いた。
「なっ・・・・！」
変わらない暗闇の中に、二十人程の人間が、あっという間に吸い込まれて行った。
反射的に伸ばされた右腕は、何かに引っ張られる感覚がして、無理にあげることは出来なかった。
「・・・・っ」
爪が食い込む程に、宙に浮いた拳を強く握る。
血が滲む程に、下唇を強く噛む。
『大丈夫』
そう分かっていても、同仕様もない罪悪感が渦巻く。
静まり返った真っ白な空間には、青年と、私と、少年しか残っていなかった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿・・・・・・・
ん？
今私は、何と言った？
そういえばさっきから、裾が引っ張られる感じがしてならなかった。
「ギギッ」と自分の右斜め下を見やる。
其処には＿＿＿＿＿＿＿＿
「お姉さん、誰。」
「私のセリフです。」
五、六歳の子供が、私の服の裾を「ギュッ」と引っ張っていた。
や、何でですか。
「君は何処の、誰で、何で、此処に、私の服の裾を引っ張って、居るんですか？」
「え」
私の顔は、恐らく真顔だろう。
自信と自覚は有る。
否、最早それしか無い。
少年と私の間には、何とも言い難い空気が流れていた。
お互い、合わせた目を離そうとせず、沈黙の時間が続く。
「・・・・」
「・・・・」
え、気まずっ。
(キャラブレ)
名前を、聞くべきなのでしょうか・・・・？
実際にはしないが、心の中で生唾を飲み込む。
さっきも話したが、子供には全くと言って良い程無縁だった。
なので、接し方も何もかも分からない。
ましてや、五、六歳の子供の扱い方なんて更に分からない。
一、ニ、三歳位ならば、まだ接し方も扱い方も分かり易かった・・・・・・
否、何を此処で悔しがってるんですか。
先ずは、目の前の子の事を何とかしなければ。
「・・・・・君、名前は・・・？」
最大限の笑顔で話し掛ける。
声色も幾分か優しくし、「良い人」に見える様に演じよう。
いや、決して私自身「悪い人」という訳では無いんですよ？
只ですね、今の状況からして、子供はきっと混乱していると思うんです。
ですから、ね？こう・・・・・アレですよ。
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ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります (2019年8月7日 13時) (
レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮桜(プロフ) - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！！応援してます！！ (2019年7月22日 7時) (レス) id: 910bb70429 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみー - 続きが,,,気になる！ 更新待ってます! (2019年5月22日 17時) (レス) id: cdcb3e59b3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 本編更新停止似ならなければいいんじゃないですかね？ (2019年5月2日 8時) (レス) id: 57d839eeab (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - 凄くいいと思いますがこちらの作品がまったく進まなくなるのかと少し心配です。 (2019年5月1日 17時) (レス) id: 67d1cef2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年3月24日 13時
