我が方舟にようこそ。【2】 ページ28
「さあて、どうする？この穴に飛び込むか、死ぬか＿＿＿＿＿＿＿＿
ほら、選べ。」
苦々しい顔をする私達とは反対に、青年はとても良い笑顔で尋ねてくる。
「・・・・・」
「・・・・・」
勿論、何か発言する人は居ない。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿にしても、理不尽極まりない選択だ。
よく分からない、何処へ繋がっているか分からない穴へ【飛び込むか】。
それとも、先程の女性の様に【消されるか】。
勝手に連れて来られて、目が覚めたかと思うと、正体不明の青年に『死の二択』に近い選択を迫られる＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿本当に、理不尽極まりない。
相手が未知の個性だから大人しくはしていますが、若し「殴って良いヨ☆」と言われたら、何の躊躇いも無く殴れます。
自信アリ、です。
「ん、あれ？居ない？え、マジで？
此処で時間食うの嫌なんだよなぁ。
よぉし、分かった。さっきの女性が何処へ行ったか、見せて差し上げよう。」
青年が再度指を鳴らすと、部屋の壁にスクリーンが映し出される。
暫くすれば、其れは音声を含みながら動き出した。
『こちら、警視庁前ですよぉ。
つい先程、我々報道陣の前に突如身元不明の謎の女性が現れましたぁ。
警察側が身元を調べたところ、なんと、例の誘拐事件で誘拐されていた“押野入間”さんだという事が分かったんですねぇ。そして＿＿＿＿＿＿＿＿』
音量を段々と小さくし、自分の声が届きやすいところに迄下げた。
「ね？言っただろ。“安全性は保証する”って。」
ニヤニヤと薄気味悪い笑みを浮かべながら、青年は可笑しそうに話す。
それと同時に、周りはザワザワとしだした。
子供達は、何がどうなのかよく分かっていないが、大人の方は、やや緊張した面持ちで相談し合っている。
・・・・・・・・・まぁ、私は相談も何も無いですけどね。
彼が何者か、確かめなければいけないんですから。
「ははは・・・・っ」
「ヒーロー気取りか」と嘲笑われてしまうかもしれない。
でも、此処に残る明確な理由が有る。
彼は、私が「目的だ」と言った。
ならば、逃げてどうする。
確かに私は、何も出来ない“無個性”。
この世の無常を知り尽くしている訳では無い。
だが、何も知らない訳じゃ無い。
私にだって、やれる事は有る筈だ。
「・・・・・」
少し位は＿＿＿＿＿＿＿＿＿
“ヒーロー”みたいに振る舞っても、良いじゃないか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 518人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります (2019年8月7日 13時) (
レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮桜(プロフ) - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！！応援してます！！ (2019年7月22日 7時) (レス) id: 910bb70429 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみー - 続きが,,,気になる！ 更新待ってます! (2019年5月22日 17時) (レス) id: cdcb3e59b3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 本編更新停止似ならなければいいんじゃないですかね？ (2019年5月2日 8時) (レス) id: 57d839eeab (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - 凄くいいと思いますがこちらの作品がまったく進まなくなるのかと少し心配です。 (2019年5月1日 17時) (レス) id: 67d1cef2b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年3月24日 13時
