イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ20)

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「あいつはAと手繋いだりキスしたり･･･ああ、つまり、付き合いたいって言ってた。その為には････俺が邪魔だって、そう言われた」

『････え、』

「俺がずっとAにくっついてたのが気に入らなかったんだろ、多分。だからずっと頼まれてたんだよ。「Aが私を好きになってくれるように手伝ってほしい」「智くんは離れて」って」

『でも智は断った･･･』

「うん。そしたら泣き出して急に掴みかかってきた。そのまま揉み合って、最終的に俺が突き飛ばしたせいで薫は道路へ飛び出した」

『････』

「その時点では何もなかったよ。車も通っていなかった。そしたらAが俺たちを探しに来た
って、そこも覚えてる？」

『････覚えてるよ』

１０秒数えて振り向いたら、公園の入り口のすぐ近くで二人が揉めてる様が視界に映った。

その時は当然理由なんか分かんなくて、とにかく二人を止めなきゃって
急いで二人の元に駆け寄った。

確かに、その時点では薫ちゃんは道路の真ん中に立ってた。

「･･･････そのすぐ後だよ、薫が轢かれたのは」

『･･･！』

「俺達の目の前で、居眠り運転してたトラックに轢かれた。････もちろん親に突き飛ばしたことを説明した。薫の両親にも。･･･けど、誰もが言ったんだ。

「あれは事故だった」」

『･･･････』

「「車が来てる時に突き飛ばしたわけじゃないんでしょ？」とか「悪いのは運転手だ」とか。･･････確かにそうかもしんないけど。でも、俺が薫を殺したって今でも思ってる」

『でもそれだけで･･･』

「俺が殺したって思ってるのは突き飛ばしたことじゃない」

『え？』

智は右手を見つめながらポツリと呟いた。

「あの道路は幅が狭かった。しかも奥もよく見える。････頑張れば、俺が必至で手を伸ばせば、きっと助けれた。怪我はするかもしんないけど、死ぬよりはずっとマシなはずだろ？」

『そんな････そんなのできないよ』

「･･･できなかったとしても、手を伸ばすことくらいはできるだろ。でも、俺はそうしなかった。明らか不安定な運転で、すごいスピードで来てる車に気付いてたのに、何もしなかった。俺は･･････薫を見殺しにしたんだ････」

『智･･･』

「目の前で動かなくなった薫を見て、初めて･･･「友達」として見れた気がした」

変な話でしょ？って

智の声は震えてつらそうだった。