イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ14)

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「････もういいだろ。手当も終わったし、俺は帰る」

『！待って！』

大声で呼び止めても、翔くんは振り返らずに休憩室の扉に向かっている。

止めなきゃ。でも、止めて････それからどうする？

『翔くん、待って、ねぇ！』

“前から社長令嬢と付き合ってんの”

頭がぐらぐらする。

この行き場のない手は何を掴めばいい？

智を信じればいいの？翔くん？それとも松本くん？

『････翔、くん･･･』

「･･････さようなら」

こんな結末、望んでいなかったのに。

.

.

.

「誰が悪いか？そんなの、Aさん一択でしょ」

彼の大きな瞳が鋭く細められる。

「あんたのやったこと、本当に最低だよ」

相葉くんの言っていたことは本当だった。

松本くんとこの子は、誰が悪いのか瞬時に決められる。

「確かに、大ちゃんの気持ちを汲めとは言いましたよ？だけど翔さんを捨ててまで選べなんて言ってない」

『･･･････』

「俺は、大ちゃんの気持ちを知ったうえで翔さんを選ぶって信じてた」

『････ごめん、二宮くん････』

「いや俺に謝られても。･･････まぁ、雅紀の言う通り、俺達が何もしなかったらうまくいってたのかもしれないし、一方的に責めるのはできないけど」

『二宮くんも相葉くんも優しすぎるよ････』

「･･･俺はともかく、雅紀は人が良すぎるんだよなぁ」

二宮くんは色々思い出したのか、大きいため息を零した。

今回のことで身に染みたけど、相葉くんは本当に良い人だ。

どんな人にも優しく接してくれる。

私のことも責めないでむしろ励ましてくれた。

相葉くんの前世は聖母マリアかもしれない。

「潤くんは知ってる････よねぇ。知らないわけないか。･･･やっぱり怒られた？」

『うん･･･』

「あー････その顔、怒られたってレベルじゃないみたいですね？」

潤くんのことだからかなりキレたんでしょうね、って

目を伏せて笑う二宮くん。

『･･････怒らないの？』

「怒ってほしいの？」

一切変わらないトーンで問う。

「本当最低だよな。あんたは大ちゃんと離れなくて済んで良かったかもしれないけど、翔さんの気持ちなんか一つも考えてない。翔さんがどれだけ苦しんでるかなんか分かんないでしょ？っていうか分かろうともしてないよね？そんな人だとは思ってなかった。すげぇがっかり。

正直、縁切りたいくらい」

『っ････』