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｢わ、きれーっ｣
『窓開けていいよ』
その言葉をってましたと言わんばかりに
嬉しそうにすぐに窓を開けて風を浴びるAは
なんだか子供みたい。
『危ないからあんま身乗り出さないでね』
「はーい」
『海くんの久々？』
「うん、すっごい久々かも〜」
『よかった笑』
「あ、この曲前の楽屋のやつ？笑」
『イヤホン繋がってなくて爆音で流れたやつね笑』
「あの時はほんとにびっくりした笑」
「けど、頭から離れなくて私もすぐ曲名調べていれたの」
『えー、Aがこの系統珍しいね』
「そーだよね笑」
「でも今ではお気に入りの曲」
自分の好きな曲を褒められるのってなんかくすぐったかったりするけど、好きな曲を好きになってもらえるってなんか嬉しいもんだなー。
『よし、と』
「ん、おつかれーい」
「あと、安全運転ありがとうございました」
こうやって言ってくれるとこも、車の乗り降りの仕方も。
さり気ない気遣いがサラッとできちゃうとこ、さすがだよなあ。
『Aー？』
「んー？」
『俺今日Aと過ごせてだいぶ幸せかも』
「…」
「なにそれ笑」
あ、みて海キラキラしてるよーって浜辺に走って言ってしまうA。
プライベートではパンツスタイルが多いのに
珍しく着ているワンピースの裾が風になびいている。
『ワンピース、買ったの？』
「うん、かわいいでしょ」
『Aがワンピースなんて珍しいよね』
「あー、そうかも？」
『俺が誕生日だから？』
「そういうことにしておいてあげる笑」
それ違うやつじゃん！と言ったら誤魔化すように
笑い出す。
あぁ、なんかやっぱ楽なんだよなぁ。
『Aってさ、人の誕生日すごい大事にするよね』
「そりゃー、大事な人が生まれた日は大事な日じゃん？」
『にしても毎年そんな感じじゃん笑』
「まあ、いつなにが最後になるかわかんないしねーっ」
「だから、いつが最後になっても、1番最後のその日を最高に幸せにしたいじゃん？」
『のくせに自分の誕生日はいつも覚えてないじゃん』
「…」
やばい、地雷踏み抜いたかも。
眉尻を下げたこの笑顔、最近見なかったのに、
「ほんとはね、覚えてるの」
『え、』
「だって、ファンの方も事務所の方も関係者の方もみんなみんな祝ってくれるんだよ？」
「……それに、親を思い出す日だから…」
『じゃあなんで、』
「2019年」
「2019年の8月8日…覚えてるでしょ、？」
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作者名：あ く び | 作成日時：2022年3月27日 17時
