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鬼・ 竈門炭治郎 ページ2

体が熱くなる

苦しい

全身の細胞が悲鳴を上げて


身体の形が変わるのが分かった。




「はあ…はあ…っ

近づかないで!!」




「A…!!」




私の名前を呼ぶ彼の瞳が切なかった
ああ、好きだったよ。

炭治郎。




「大丈夫だ…!!大丈夫だから…!

落ち着け!A!

必ず戻してやるから俺が人間に戻すから!!」



炭治郎の声が遠く聞こえる。

今日私たちは鬼狩りに2人で来てた。
目的の鬼を倒して帰ろうとした時
私の首に激痛が走って

後ろを振り返ると男が笑ってた。


あの鬼が、あの鬼こそが、無惨。



「お、お願い、ころして」



もうこれ以上耐えられない。
我慢できない。

こんなにも好きな人を喰べたいと思うなんて

自分が怖い。



「A…!!

大丈夫だ!

俺は君を切りたくない切らないから!

大丈夫」



炭治郎の瞳に映る私は
どんな見た目なんだろう。

やっと今日想いを伝えようとしたのに

あなたの目に映る最後の姿が鬼だなんてね。


私はあなたの妹のようにはなれないから



ごめんなさい。

大丈夫って言ってくれてありがとう。



自我を保てる内に
手に刀を握った。



そのまま首に当てる





「だめだ…!!

A落ち着け!

頼むから死なないでくれ…!」



そう言ってあなたが私の刀を止めるから

私はあなたに噛み付いてしまったのよ



お願いだから私にあなたを傷つけさせないで

もう身体が言う事を聞かないの。



私からの攻撃を全て避ける炭治郎
避けるだけで攻撃してこなくて

どこまでも良い人で優しくて


そんなあなたが好きで好きで仕方なかった。


なのにどうしよう

喰べたくて仕方ないのよ



「A!俺が戻してやる!戻してやるから!

大丈夫だから!!」



ねえ、はやく、ころして。



「A…!」


私の身体が炭治郎を押し倒して馬乗りした時
炭治郎が私の腰に腕を回して
自分の方へ引き寄せて抱きしめた


涙が出た


「俺はAが好きだよ」


どうして今言うの?



私は落ちていた自分の刀を拾い
力いっぱいに自分の首を切った



「…っA!!!」



炭治郎が必死に私の首と胴体をくっつけようとする




「私も…好きだったよ」




灰になり消える前に見た愛おしい人の顔は

涙でくしゃくしゃだった。






end.

好き・ 時透無一郎→←作者より



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美桜 - 話好きです。続けて下さい。更新頑張って下さい。 (2019年3月2日 20時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
ファルル(プロフ) - 竈門炭治郎ですよ!門が抜けています (2018年8月8日 0時) (レス) id: 75508b9973 (このIDを非表示/違反報告)
たごちゃん(プロフ) - 涙が止まらないです。切なくて。すごく心動かされました。ありがとうございます。 (2018年7月7日 0時) (レス) id: dffad2ad26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:enen♪ | 作成日時:2017年7月20日 17時

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