復讐を決めた日。 ページ2
魔法少女といえば、何を思い浮かべるだろうか。
魔法を駆使して敵と戦う女の子……。
それが一般的なイメージだと思うが、実際の魔法少女はそんな派手ではない。
そよ風レベルの風魔法で洗濯物を乾かし、コンロレベルの炎魔法で魚を焼く。
これが魔法少女であるAの仕事だ。
今日の仕事は、腰を痛めて庭の花の水やりができない、田中さん家のお婆さんの代わりに、水魔法で花に水をやること。
先程まで学校であった、彼女の葵をいたぶるような出来事も、何もかもなかったかのような笑顔で彼女は仕事を終える。お婆さんに「またのご利用をお待ちしています」とお決まりの挨拶で微笑みかけて、すたすたと手際よく家を出るのだ。
「はあ……」
お婆さんの家の扉を閉めた彼女は、そうため息をつくと、紺色のスクールバッグの中から、筆箱を取り出した。
やはりそれには焦茶の汚れがくっきりついている。そして、それについたキーホルダーの、なんと悲惨なことか。透明感のあったキーホルダーは、ヒビが入って、白く淀んでいるように見える。
「……お母さんに買ってもらった、お気に入りだったのにな」
そういうと彼女は、また筆箱をスクールバッグにしまい、俯きながら歩道を進んでいった。
憂鬱が彼女を襲う。視界が涙で揺れる。その不快感に眉を顰めていた彼女は、肩を何者かにぽんぽんと叩かれていることに気がついた。
智香「よっ、A」
A「智香ちゃん!!」
智香は同じく魔法少女であるクラスメイト。学校だと特段関わりがないように見えるが、放課後は非常に仲の良い親友なのだ。
智香「……ねえ、和瑠子のこと、大丈夫だった?」
A「! え、えっと」
智香「この間もさ、なんかいろいろ言われてたじゃん。葵配だったんだけど、やっぱり、どうしても怖くて声かけられなくって……ごめん。私も昔、あいつに酷いことされててさ、それがどうしても」
A「大丈夫だよ。智香ちゃんが、そのことでひんしゅく買ったら嫌だし……」
智香「でも、悔しいんだよ。友達が酷い目にあってるの。それに、今まで私のことを散々いじめたくせに、あいつは全く反省してない。悔しいんだ、どうしても。だから、復讐することにした」
A「えっ、復讐!?」
智香「そ。ある魔法を使って復讐するの」
A「ま、魔法?」
智香「そう!! その名も!!」
A「その名も!?」
智香「スーパー☆カンチョー!!」
A「……は?」
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甘草リコ - こんな駄作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします。10月より新作品を更新する予定ですので、気長に待っていただければと思います。よろしくお願いいたします。 (2022年9月23日 1時) (レス) id: 95ef1aa62b (このIDを非表示/違反報告)
甘草リコ - 皆さん、大変申し訳ないのですが、パスワードを忘れてしまい更新不可となってしまいました。見てくださった方々には大変申し訳ございません。次こそ、皆さんに素晴らしい作品を届けられるよう頑張っていきたいと思います。 (2022年9月23日 1時) (レス) id: 95ef1aa62b (このIDを非表示/違反報告)
甘草リコ - むつさん» あああ!! 返信遅れてごめんなさい!! いじめっ子に浣腸……卒業するときにいつかやってやりたいと考えていまs((( ゆっくりやすみます。あと誤字の指摘ありがとうございます!!!!!! (2022年6月21日 21時) (レス) id: b10498da77 (このIDを非表示/違反報告)
むつ - はじめまして!作者さんをいじめる人なんて、浣腸s……((すみませんでした。主人公ちゃんみたいにかっこよく言い返したいなと思っても、現実ではなかなかできませんよね……。ゆっくり休んでください!あと、「心」が「葵」に変換されちゃってるかな?と思います! (2022年6月14日 19時) (レス) @page12 id: 7d80cfa994 (このIDを非表示/違反報告)
甘草リコ - なずなさん» なずなさん……! ありがとうございます。本当に嬉しいです。いじめは本当に消滅してほしいですよね。いつか帰ってきます!! 絶対!! 本当に見ていてくれてありがとうございました。 (2022年6月10日 22時) (レス) @page12 id: 95ef1aa62b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘草リコ | 作成日時:2022年5月3日 20時