「俺の“女”にならねぇ？」←ならねぇよ

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「全く北條くんったら、びっくりしたじゃん」

「悪かったって」


壁ドンのことを少しネタに出してみる

びっくりしたではないか、と

帰宅路を肩を並べて歩きながら、さっきのことを考える

告白されて、嘘ではないことに安心して

でも、気持ちには答えられていない

少し罪悪感が湧く


「でもさ、答えられないよ。ごめんね」


うつむき気味になり、つい前を見て言ってしまった

顔を見れず、少し気まずい


「当たり前だろ」

「え？」


でも返ってきた返事は予想を斜め上に通り越していった

当たり前？


「なんだよ、豆鉄砲くらったハトみたいな顔しやがって」


笑いながらそう言われる

少し頭にきたから、肘でつつく

ごめんって笑いながら謝られても困るよね？


「なに？彩人は男とそういう経験あんの？」

「ないよ！男に告られたこともキスされたのも全部！全部、北條くんが初めてなんだから」


こっぱずかしい


「ファースト返せ」

「えっ、男にとキス、ダブルの意味でファーストだったのか⁈」


北條くんのバカ

そんな意味を込めての呟きは、さらに彼を驚かせる

口元を抑える北條くんに、もう一度肘を入れる

もちろんさっきよりも、威力を強めて

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