ヨナの姉は片思い中６

第33話 戦支度 ページ11

「『お...おおおおいしい〜』」

ユンの夕食は今まで以上においしかった。

もちろんいつものご飯も好きだよ〜

「当然
海の幸たっぷりの特製海賊汁
具材も贅沢に使ったから
美味しくないはずないもんね」

『うんうん おいしいよ ユン天才‼』

「エビ・カニ・はまぐり・たら・たらこ
こんぶと野菜をしょうゆで味つけ 海は宝だね〜」

ヨナはキジャに美味しいでしょと言い

「こっここここれは何の虫だ⁉」海の幸初めて

カタカタと震えているキジャに

「それはカニだ‼ 虫じゃねー
シンア見習って何でも食え‼
そしてプギューは食いすぎ!
別の生き物になってるよっ」

「バリバリ もくもく ごっきゅん」

「プキュプキュ」

海の幸初めて
何でも食わないと生きていけない
ところ出身の青龍&リス

『かにの殻ごとはダメだよ シンアー⁉
キジャ これはね殻を外して...』

海賊のみんなは楽しそうに

「本当にうめェぞ ぼうず! 嫁に来い」

「Aちゃーん 俺も食い方わかんなーい」

「やだよ 定職についてないゴロツキなんて
あと Aに絡まないでよ‼
ねぇ ところで誰か俺のはちみつ知らない?」

『...！』

「いやー あったまるなァ 海賊汁 ユン君天才」




ヨナは一人で佇んでいるギガン船長に

「お食事です」

「ああ ありがとうよ」

海賊汁を一口食べたギガン船長は

「美味いじゃないか」

「でしょう? ユンが作ったの
ユンは何でも上手なのよ」

「そうかい」

ギガン船長は優しく微笑み

「お前とお前の姉が取ってきた千樹草で
仲間の容態が回復に向かっているそうだ
皆 感謝してるってよ」

嬉しさが溢れたかのような笑顔でヨナは

「よかった」

「ああ もう犠牲を出したくないからね」

「亡くなった人がいるの...?」

「そりゃあね海賊なんてやってんだ
無傷ってわけにはいかないよ
この闘いが終わったら海賊を解散して
あいつらを普通の生活に戻してやりたいんだ」

「そう...なの」

「一人だけ難しいヤツがいるがね」

「難しい?」

「ジェハだよ
あいつはこの船が家だからね
異形の存在ゆえ海賊が一番居心地良いのさ」

「じゃあ海賊を解散したら
ジェハは独りになるの?」

母親のような顔をしたギガン船長が

「ふふ お前が連れてってくれるかい?」

ヨナは少し寂しそうにしながら

「...そうしたいけど私と行くのは嫌だって」

「ふふ あいつはまだ親離れ出来ないのかね」

「心外だなぁ 船長」

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