赤い糸２

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花「あんな真面目な横尾くんが
同級生を殴るとか…みんな驚いてたよ」





そりゃあそうだよ、

いつもはすごくおとなしいもん…





花「でも、そのことがきっかけで
Aと同じように酷い目にあった女の子が
勇気を出して警察に行ってくれたんだよ」



「そっか…
強いな…その子……」






私には絶対に無理だもんな…



それどころか、

もう男の人とまともに話すなんて…






花「A…
横尾くんにお礼言わなくていいの？」



「でも…
私はきっとまた、渉を傷つけちゃう」






あの日…


渉の手を振り払ってしまった。





あのときの渉の悲しそうな顔を

私は今でも思い出す。





…だったらもう

私は渉と会わないほうがいいのかもしれない。






それから二週間後




渉は転校した。






最後に渉に

会ってお礼を言うこともできなかった。





けど、電話で…





渉「A、絶対に夢叶えろよ！
大丈夫だから！」




そう言ってくれた。









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「それから１５年間、
私と渉は会うこともなくて…
この前のミュージックビデオの撮影のときに
久しぶりに再会したの…」






ここまで私の話を

黙って聞いてくれた高嗣くん。



唇を噛み締めながら

高嗣くんも苦しそうな表情をしている。






「これが私が男の人を嫌いになった理由。
…ごめんね、引いたよね」



二「は？何言ってんの！？
引くわけねーじゃん！！」





高嗣くんはそう怒鳴って

私を思い切り抱きしめた。





「っいや……」



二「今ここにいるのは！！」






また反射的に身体が抵抗しようとしたら

高嗣くんが私の言葉を遮った。






二「今ここにいるのは…俺だから……
俺はAが嫌がることはもう絶対にしない。
お願い…俺を信じてほしい……」



「高嗣くん……」



二「そんな辛いこと…
話してくれてありがとう……」



「……っ…」






あの日から今まで

私の過去のことを話して

こんな風に受け止めてくれた人なんて

いただろうか…




私は高嗣くんの胸の中で

子供みたいにいっぱい泣いた。




それをあやすかのように

高嗣くんは私の背中を擦ってくれた。





あの日の渉みたいに…






私…


やっぱり高嗣くんのこと好きみたい……









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