君の笑顔９

288 side ﾆｶ ページ6

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萌「待ってよ！
いいの？バラされても」



2「どうせお前が何言ったって
誰も信じねーだろ」



萌「どうかな…
昨日の電話、録音してたんだよね。
もちろん今の会話も」




…は？


正気かよ、この女……




2「なんなの、まじで。
何が目的なわけ？」



萌「もちろん高嗣に決まってるじゃん」



2「…ふざけんなよ」



萌「ふざけてない！
私は…高嗣が好きって……
…そう言ってんじゃん」



2「なに？じゃあ、
Aと別れろって言いたいわけ？」



萌「別れてくれるの？」



2「別れるわけねーじゃん。
俺がこの先、ずっと一緒にいたいのは…
愛する女は…Aだけなんだよ…！」



萌「………そっか」





俺の一声に

しばらく黙っていた萌花




2「お前にもさ、
きっとすぐ良い奴見つかんだろ…」



萌「……」



2「お前を幸せにできるのは…
俺じゃないと思う。」




俺が何を言っても、

聞く耳もたなかった萌花が

いきなりこんなことを言ってきた。




萌「じゃあ、キスして？」



2「…は？」



萌「10秒以上の長いキス。
その間だけ、私をAさんだと思っていいから。」



2「そんなこと…
できるわけねーじゃん…」



萌「早く！してくれないと
この音声、週刊誌に持ってくから！」



2「なに言って…」



萌「ごー、よん、さん、」




カウントを始めた萌花に

焦りを感じて、

着けていたマスクをとって



…キスをした。




Aにするみたいに、って言われたから

一応、萌花の頭に手を回す


だけど、

ギリギリ触れるか触れないかのキス




10秒のキスなんて、

Aとするときは全然短いのに


他の女とのキスは

めちゃくちゃ長く感じた。




もう少しで終わるとき

ｶﾞｼｬﾝって何か落ちる音が聞こえたから

そっちを振り向こうとしたら



いきなり俺の首に手を回し

唇を強く押し付けてきた萌花





2「…っにすんだよ！」



萌「…なによ、
これくらいのキスで」



2「いくらなんでも…
やりすぎだろっ！」



萌「ふふっ、
久々の高嗣とのキスで興奮しちゃった」




さっきとは別人みたいに

イキイキと話しだすし……



…なんなんだよ、まじで！





萌「今ね、人に見られちゃったかも！」



2「は？」



萌「可愛い女のコだったな〜
高嗣のファンの子かもね！」





まじで……


こいつなんなの？



こいつのこと

本気で怖くなってきた……






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