君の笑顔９

312 side ﾆｶ ページ30

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萌「何その例え…
高嗣って、今も昔も考え方ガキだよね」



2「うるせーよ…」



萌「私も…高嗣に…
Aさんみたく愛されたかった…」





そう言って涙を流した萌花




萌花が俺の前で泣いたのは

ずいぶん久しぶりな感じがする




たぶん付き合ってたときも

俺の前では泣かないようにしてたんだな…






萌「はじめて、Aさん見たとき…
可愛い人だなって思った。」



2「うん…」



萌「たぶん高嗣の彼女なんだろうなって
初めから気づいてたよ」



2「え！？」



萌「高嗣が初めて、
私の働くCDショップに来たとき…
私が作った、AさんのCDのポップ
愛しそうな顔で見てたんだもん…」




CDのポップ？



あ……



『今話題の人気歌手 Aさん！
店員おすすめナンバーワン！』




たしかに…

めちゃくちゃ可愛いメッセージカード


綺麗な字で書かれてたような気がする…





2「あれ…
萌花が作ったのか？」



萌「そうだよ。
私も、本気でAさんの曲が好きで…
あの曲を初めて聴いたとき、
高嗣のことを思い出して涙が止まらなかったの…」



2「そう、だったんだ…」



萌「だからね、
Aさんが高嗣の家にいたとき
なんでよりにもよって、こんな可愛い人が？
どうせ外見だけでしょ！って思ったけど…
内面も笑顔も…想像以上に素敵な人で……
私なんか全然敵わないって思って…
いじわるしたくなっちゃったの…」





なんだよ…


最初に会ったときから気づいてたとか…




それを俺は気づいてないって…




やっぱり俺が一番バカじゃん。







萌「安心して。
この前の会話は録音なんかしてないから」



2「え！？」



萌「あぁ言えば、
高嗣は私のところに戻ってくるんじゃないかって
そう思って言っただけだから…」



2「萌花……」



萌「私ね、実家に帰ろうと思うんだ！
お母さん、働いてばっかで体調くずしてて…
子供の頃できなかった親孝行ってやつ
やってみようと思う…！」



2「そっか…
おばちゃん、大丈夫なの？」



萌「うん…
高嗣も実家に帰ったとき、
よかったら私の家にも寄って？
お母さん喜ぶと思う」



2「わかった…
おばちゃんの好きな和菓子持って行くから！」






おばちゃん…



萌花の母ちゃんは

和菓子が好きでよく俺んちで食ってたっけ…





懐かしいな…




思い出したら

急に会いたくなってきた…







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