お前の意思なら【アクセル】(リクエスト) ページ24
「見つけたぜ、A」
まだ俺に気付かないその背中に声をかける。
すると、ビクッと大袈裟に肩を揺らしたその子はこちらに素早く振り返った。
「……ア、アクセル……」
その子の表情は、もう何も信じられないという不安に揺れている。
まあ、つまりAは機関から抜けて逃走中だって事だ。
「ほら、帰るぞ。こんなに離れてちゃあ、俺はお前を守れねェ」
「……嫌だ」
引っ張ろうとしても、首を振って頑なに動こうとしないA。説得しても利かなそうなその子に俺は一息吐くと、どうするべきかと頭を悩ませた。
暫く俺がウンウンと唸っていると、不意にその子は震えた声で俺に話しかけてくる。
「……お前は、何故私を連れ戻そうとする……？
事情を知っているのなら、私なんて放っておけば良いのに……！ アクセルにとってそれが一番の安全策なのに……」
「……あ？」
その子の言葉に対して、今までに出た事の無いような低い声が俺の口から洩れた。
お前を放っておく？ それが俺にとっての安全策？
……んな訳ねェだろ。
俺はお前がいなきゃあ存在の意味が無ェんだよ
お前を守る事以外に俺の存在意義は無ェんだよ
それは、Aを好きになったその時から変わらない考え。
無意識下に込み上げて来たらしい怒りは、振り解かれようとするその子の手を更に強く握り締める。
その子が呻き声を出そうが、もっと振り払おうとしようが構わなかった。
「……は、ッ離して！」
すると、絶叫したその子は躊躇い気味に俺にキーブレードを振るう
簡単に阻止できたが、その子の必死な行動によって、俺は我に返る。一旦気を落ち着かせようと俺は大きく深呼吸した。
……ま、確かにAの意思こそ一番大事だよな。
「なあ、A。
お前は、本当に帰りたくないのか？
俺の側にいてくれないのか？」
それは、最後の質問。
Aは突然の質問に刮目するも、暫く考えた後、俺を見据えてはっきり言い放った。
「……私は帰らない。
……利用されるくらいなら、消えた方がきっとマシなんだ」
お前の答えはそれか……よし、仕方ねーな
「じゃ、一緒に消えようぜ」
「な……何を言って___い"っ！？」
その子を抱き寄せると、そのまま逃げられない様に強く抱きしめる。そして、俺の炎でその子の中心から燃き尽くしていく。
肌に自身の炎が触れようが関係ない。その子の全てを燃やし尽くし、消えかけの俺は言った
「これで、いいだろ……愛してんぞ……A」
井の中のあの子【ゼムナス】(リクエスト)→←君は私の事を知らない【ナミネ】
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レフト(プロフ) - ご満足頂けたようで何よりです。ソラさんもわざわざこのような小説にリクエストして下さり、誠に有難うございました。 (2019年5月27日 22時) (
レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです！ありがとうございました (2019年5月27日 5時) (レス) id: 788aead105 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - ムスメ3さん» 今までのご閲覧、誠に有難うございます。ムスメ3さんから頂いた沢山のリクエストは非常に捗りました。 (2019年5月27日 1時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - すごい面白かったです！完走おめでとうございます！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - いちごみるくさん» 四ヶ月という時間を掛けて漸く完結致しましたが、初期の方から見て下さったいちごみるくさんには感謝しきれません。今までご閲覧頂き、本当に有難うございました。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェトルクス | 作成日時：2019年1月25日 0時
